使用の目的:増粘剤
類似した成分:キサンタンガム
グアーガムとは一部の口紅やリップクリーム等に含まれている成分で、マンノース2分子とガラクトース側鎖の繰り返し構造による多糖類の一種です。常温では白色もしくは薄褐色の粉末状の物質で、熱水に溶け、エタノールやアセトンに溶けにくい性質を持っています。天然に存在する成分で、工業的にはマメ科の植物クラスタマメの種子を粉砕、加工することによって生産されます。
特筆すべき性質としてはその非常に高い増粘作用が挙げられます。グアーガムを熱水に溶かすと濃度に比例して粘度が増加し、1%水溶液ではキサンタンガム等の一般的な増粘剤と比較しても高い値を示します。また、水溶液はシュードプラスチック性(力を加えると粘度が下がり、取り除くと元に戻る性質)にも優れているため、製品の粘度を調整し、肌につけやすくする目的で幅広く用いられています。
天然由来で肌への刺激性や毒性もなく、食品添加物としてもお馴染みの成分のため、安心、安全に利用可能です。過去には食品添加物向けのグアーガムからダイオキシンが検出された事象がありましたが、近年ではそのような事象は発生していません。しかし、冷水やアルコールに溶けにくい、粘度が高すぎる、カラギーナンとの組み合わせで粘度を低下させるなどの性質があるため、増粘剤としての使い勝手はやや他の成分に劣ります。
類似した成分としてはキサンタンガムが挙げられます。キサンタンガムはグアーガムと同様に水溶性の増粘剤として化粧品に利用されていますが、元々の粘度がやや低いこと、また、擬塑性流動と呼ばれる性質を持っている点(力を加えることによって粘度が劇的に低下する性質)で異なっており、チューブ容器に入った化粧品などに好んで利用されています。
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