使用の目的:基剤成分
類似した成分:ステアリン酸、オレイン酸
シアバターとは化粧品に幅広く含まれている成分で、炭素数C18の飽和脂肪酸であるステアリン酸及びC18の不飽和脂肪酸であるオレイン酸を主成分としています。シア脂と呼ばれることもあり、常温では白色の半固体で、水にはほとんど溶けませんが、油性成分とはよく馴染みます。工業的にはアフリカでみられるアカテツ科の植物シアバターノキの種子から油分を抽出、精製することによって得られます。
特筆すべき性質としては基剤成分としての使い勝手の良さが挙げられます。シアバターの融点は25℃~40℃付近であるため、室温では固体ですが、肌につけると丁度バターのように溶けて液体になります。また、ステアリン酸やオレイン酸を主成分としているため付け心地はとても滑らかです。その為、油性成分の基剤として、あるいは使用感を向上させるための成分として、シアバターは広く用いられています。
天然由来で食品としてもお馴染みの成分で、肌への刺激性や毒性も確認されていないため、安心、安全に利用可能な成分です。また、シアバターを肌に塗るとよく馴染み、肌からの水分蒸発をよく防ぎます。しかし、ボディケア等に用いる場合、他のボディケア製品とは異なり、肌の上で少しずつ溶かしながら使うことになるため、やや使い勝手の悪さを感じる方もいらっしゃるでしょう。
類似した成分としてはステアリン酸やオレイン酸が挙げられます。ステアリン酸やオレイン酸はシアバターに含まれている代表的な脂肪酸ですが、前者は常温で固体の牛脂やカカオ脂の成分として知られ、後者は常温で液体のオリーブ油やツバキ油の成分として知られています。化粧品ではそれぞれの特徴を活かす形で使い分け、もしくは混合されて用いられています。
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