バクチオール

しわ

使用の目的:コラーゲン、ヒアルロン酸の産生促進、抗酸化作用

類似した成分:レチノール

 バクチオールとは一部のスキンケア化粧品に含まれている成分で、化学式C18H24Oで表されるテルペフェノール化合物の一種です。常温では褐色の液体で、水に僅かに溶け、エタノールやDMSOに比較的溶けやすい性質を持っています。工業的に合成は不可ですが、生薬としても用いられる補骨脂から抽出することによって得ることができます。

 特筆すべき性質としてはコラーゲン、ヒアルロン酸の産生を促進し、肌のシワやたるみを防止する効果が挙げられます。バクチオールを含んだ化粧品を肌につけると肌のターンオーバーが促進され、その一環として表皮層でのコラーゲンやヒアルロン酸がより多く合成されるようになります。また、バクチオールは抗酸化作用も持ち合わせており、シミやくすみの発生を抑制する効果も期待できます。

 天然由来で肌への刺激性や毒性も認められておらず、安心、安全に利用可能な成分です。また、その効果はレチノールと類似していますが、レチノールより熱に対する安定性に優れ、また、レチノイド反応による肌荒れやかゆみといった作用を引き起こさないため、代替成分として期待されています。しかし、ヒアルロン酸やコラーゲンの産生促進作用、抗酸化作用共にレチノールや他の成分と比較して穏やかなため、効果を直ぐに実感できない可能性があります。

 類似した成分としてはレチノールが挙げられます。レチノールは肌のヒアルロン酸の産生促進作用を持った成分として有名で、様々なスキンケア製品に取り入れられてきましたが、バクチオールと比較してその効果は高いものの、安定性や安全性に若干の課題を抱えています。化粧品にはそれぞれの特性を活かす形で使い分けがされています。

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