ミネラルファンデーションとはどんな製品なの?低刺激って本当?

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ナチュラルコスメの新しいトレンド「ミネラルファンデーション」

 貴方はファンデーションを選ぶ際、どんなことを重視していますか。ファンデーションには実に色々な種類があり、お肌の悩みをしっかりカバーしてくれるもの、肌へのつけ心地を優先したものなど、好みに合わせて様々なものを選ぶことができます。そんな中で最近話題になっているのが、敏感肌でも安心して使えることを謳っている「ミネラルファンデーション」です。店頭で見かける機会は少なく通販が主ですが、ナチュラルコスメのブランドを中心に、各社ごとに特色を出した製品が販売されています。普通のファンデーションとは何が違い、どんなメリットがあるのでしょうか。

ミネラルファンデーションに含まれている成分は?

一般的なファンデーションには主成分である顔料に加えて、顔料を肌によく馴染ませ、密着させるための油分や界面活性剤と呼ばれる成分が含まれています。また、顔料には大きく分けて3種類が存在し、酸化チタンや酸化鉄といった無機顔料、赤色○○号といったタール色素、コチニールや紅花色素に代表される有機顔料、タルクやマイカ、カオリンといった体質顔料(ファンデーションの顔料を肌にのせるための顔料)が存在します。これらの成分はいずれも十分に安全で長く利用され続けており、化粧品には欠かせない存在です。

 一方、ミネラルファンデーションに使われている成分は非常に限られています。基本的には無機顔料の酸化チタン、酸化亜鉛及び酸化鉄、体質顔料のマイカの4種類(天然の鉱物由来の成分)のみで構成されており、有機顔料や界面活性剤は含まれておりません。パウダー系の製品であればほぼ無機顔料のみ、リキッド系の製品であれば他に保湿成分などが添加されています。

ミネラルファンデーションのメリットー「超」低刺激

 ごく限られた成分で構成されているミネラルファンデーションのメリットとして、超低刺激であることが挙げられます。肌がトラブルを抱えていない状態であれば、カバー力や水分重視であればリキッドファンデーション、つけ心地の軽さ重視であればパウダーファンデーションなど好みに合わせて選んで問題ないのですが、肌が問題を抱えている場合、油分や界面活性剤、有機顔料は「重く」感じるだけではなく、時には炎症などを引き起こしてしまうことがあります。また、体質によってはアレルギー反応を引き起こすこともあります。

 一方、ミネラルファンデーションではその心配がほとんどありません。油分不使用のものであればつけ心地はごく軽く、様々な成分による肌荒れやアレルギー反応のリスクもごく限られています(金属アレルギーを心配する方もいらっしゃるかと思いますが、酸化鉄や酸化亜鉛は化学的に非常に安定で、金属イオンは溶け出しません)。また、クレンジングを使わず洗顔石鹸だけで落とせるものが多いことも特徴で、化粧落としや残った油分によるダメージを抑えることも可能です。元々、ミネラルファンデーションは化粧よりもむしろ医療目的で開発され、肌荒れや手術後の傷をカバーし、QOLを向上させる目的で利用されてきた経緯があります。

ミネラルファンデーションのデメリットーちょっと使いにくいかも?

 余分な成分が含まれておらず、肌にとにかく優しいミネラルファンデーションですが、普段使いする上では少し不便かもしれません。まず、通常のファンデーションと比較して油分や界面活性剤といった肌への密着を助ける成分が含まれていないため、肌に上手くつけにくく、水分などで簡単に落ちてしまいます。また、パウダー系の製品は一般的に化粧崩れしやすいのですが、ミネラルファンデーションではよりその傾向が強く、化粧直しがこまめに必要になります。

 色味に関しても通常のファンデーションと比較して、かなり限定されたものになります。タール色素や紅花色素といった有機顔料は肌の状態によっては合わないことがありますが、色味が鮮やかで、また、組み合わせによって様々な色を表現することができるため、ファンデーションだけではなく口紅やチークなどのポイントメイクに好んで用いられています。一方、酸化チタンや酸化鉄だけで肌色を表現することは可能ですが、それだけでは発色の鮮やかさには欠け、また、カバー力も弱くなってしまいます。そのため、ミネラルファンデーションは薄めのナチュラルメイク以外ではどうしても使いにくいものが多いです。

ミネラルファンデーションを使うべき理由、そうではない理由

 このように、ミネラルファンデーションは肌への負担を抑えたいと考えた場合、他のどのファンデーションよりも優れたアイテムです。肌に刺激を与える、あるいはアレルギー反応を引き起こす恐れのある成分がほとんど含まれていないため、敏感肌でも安心して使うことができます。特に肌がとても弱く、メイクが思うようにできないといった方には画期的な製品で、救われた方も少なくないでしょう。メイクは単に「キレイになる」だけではなく、私達に自信や選択肢を与えてくれる存在でもあります。

 しかし、その使いにくさを考えると、肌に特別なトラブルを抱えていない場合、カバー力や鮮やかさを優先し、他の製品を選んだ方が満足できるかもしれません。パウダーファンデーション、クッションファンデーションであれば比較的使用感や肌への負担も軽めで、様々なアイテムを実際に手に取って選ぶことが可能です。お気に入りのアイテムで「なりたい自分になる」ことで、心と身体の調子を上げることができます。

まだ化粧品の分野ではメジャーな存在ではありませんが、ミネラルファンデーションはより多くの方に希望と自信を与えてくれるアイテムです。「肌の弱い人のためのコスメ」は化粧品に携わる方々にとっての永遠の研究テーマで、ミネラルファンデーションを含め、今後もより多くの製品が生まれてくることでしょう。

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