カルナウバロウ

成分

使用の目的:安定剤、皮膜形成、保湿、物理的脱毛

類似した成分:キャンデリラロウ

カルナウバロウとはメイクアップ化粧品を中心に幅広く含まれている成分で、炭素数24-32の超長鎖脂肪酸及びアルコールのエステルを主成分としています。カルナウバワックスやブラジルワックスとも呼ばれることがあり、常温では淡黄褐色のロウ状の固体で、水やエタノールには全く溶けない一方、油性成分とは比較的馴染みやすい性質を持っています。製法としてはブラジルロウヤシの葉を乾燥して浮き出したロウの部分を採取、精製することによって得られます。

 特筆すべき性質としては基剤成分としての硬度や安定性が挙げられます。油性成分をベースとしたメイクアップ化粧品は高温での変性に悩まされますが、カルナウバロウは超長鎖脂肪酸を主成分としているため融点が高く、また、ワックスの中では最も硬いため、化粧品の使いやすさや高温での安定性を保持する上で有用です。また、肌に塗ると皮膜を形成する為、水分の蒸発を防ぐ保湿成分として、あるいは皮膜を利用して体毛を固めて、物理的に剝離させる目的でも利用することができます。

 天然由来で食品添加物としても広く利用されている成分であること、また、肌への刺激性も低いことから安心、安全に利用可能な成分です。また、カルナウバロウの皮膜は光沢があり輝いて見えるため、化粧品の見栄えを良くする効果も期待できます。大変汎用性にも優れており便利な成分ですが、原料のブラジルロウヤシについてはその栽培環境について、持続可能性の面から一部で問題提起がされています。

 類似した成分としてはキャンデリラロウが挙げられます。キャンデリラロウはカルナウバロウと同様に植物から採取可能なワックスで、比較的高い融点が特徴ですが、カルナウバロウと比較してより光沢が強く、柔らかいといった点で異なります。化粧品にはそれぞれの特徴を活かす形で使い分け、もしくは併用がされています。

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