シベトン

使用の目的:香料

類似した成分:インドール、スカトール、霊猫香

 シベトンとは一部のフレグランス製品に利用されている成分で、化学式C17H30Oで表される大環状ケトンの一種です。常温では結晶性の固体で、水に溶けにくく、エタノールや油に溶けやすい性質を持っています。天然ではシベットやジャコウに含まれており、かつては多く利用されていましたが、現在はオレイン酸を原料に合成したものが多く用いられています。

 特筆すべき性質としてはその特徴的な臭いが挙げられます。シベトンは高濃度では動物の糞尿を思わせる強烈かつ不快な臭いに感じられますが、希釈して低濃度にすることで花やムスクを思わせるような官能的で甘く、パウダリーな匂いへと変化します。そのため、シベトンはフレグランス製品に複雑さや奥行きを持たせる目的で利用されます。

 化粧品成分の中では刺激性や毒性が強く、注意すべきものですが、十分に低濃度であっても強烈かつ不快な臭いを発生するため、高濃度に配合されることはありません。また、シベトンの臭いは「花の臭さ」とよく似ているため、他の成分と混ぜて使用することでより自然な香りを表現することができます。しかし、シベトン単独の臭いは低濃度でも比較的不快に感じやすいものであるため、そのまま利用されることは稀です。

 類似した成分としてはインドールが挙げられます。インドールは含窒素複素環式化合物の一種で、シベトンと同様にフレグランス製品の香りに複雑さや奥行きを出す目的で利用され、高濃度では糞便や下水を思い浮かべるような悪臭である点が共通していますが、シベトンよりもその香りがフローラルに感じられる点で異なります。化粧品にはそれぞれの特徴を活かす形で使い分けがされています。

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