使用の目的:抗酸化作用、収れん作用
類似した成分：コーヒー抽出物、チャカテキン、タンニン
チャ葉エキスとはスキンケア製品を中心に使用されている成分で、ポリフェノールの一種であるチャカテキンやタンニン、アルカロイドの一種であるカフェインを主成分としています。チャエキスと呼ばれることもあり、工業的にはツバキ科の植物チャノキから有効成分を抽出することによって得られます。
特筆すべき性質としては優れた抗酸化作用が挙げられます。チャ葉エキスに含まれるチャカテキンやタンニンには構造中のカテコール骨格に由来する強い抗酸化作用があり、紫外線などによって発生した活性酸素を安定させます。そのため、肌につけると皮膚を構成しているタンパク質であるコラーゲンやエラスチンの分解を阻害することによって肌のハリを保ち、また、活性酸素に由来するシミなどの発生を防ぎます。また、カテキンやタンニン、カフェインには刺激やタンパク質の変性作用によって毛穴を引き締める、収れん効果も期待することができます。
天然由来で食品としてもお馴染みの成分で、アレルギー等の心配もないため、安心、安全に利用可能な成分です。また、チャ葉エキスにはアミノ酸の一種であるテアニンも含まれており、保湿効果等も期待することができます。しかし、抗酸化作用については他に優れた効果を発揮する成分が存在すること、また、利用すると茶葉由来の風味が出てしまうことから、化粧品への利用はやや限定的です。
類似した成分としてはコーヒー抽出物が挙げられます。コーヒー抽出物はチャ葉エキスと同様にポリフェノールやカフェインを多く含んでおり、同様に抗酸化作用などを目的として利用されています。化粧品にはどちらも利用されていますが、チャ葉エキスが主にスキンケアに利用されている一方、コーヒー抽出物はカフェインによる血行促進効果を期待し、アイクリームやアイメイク製品等を中心に利用されています