使用の目的:保湿、髪の補修
類似した成分:グルタミン酸
テアニンとはスキンケア製品を中心に利用されている成分で、化学式C7H14N2O3で表されるアミノ酸の一種です。常温では白色の粉末状の物質で、水に溶けやすく、油と馴染みにくい性質を持っています。天然にはツバキ科の植物チャノキの葉に多く含まれており、それを抽出することによっても得られますが、工業的にはグルタミンとエチルアミンの混合物を微生物発酵させることによって大量に合成可能です。
特筆すべき効果としては優れた保湿効果が挙げられます。テアニンはその分子の構造上、極めて水と馴染みやすいため大量の水分を保持し、また、低分子であることから肌によく浸透します。また、アミノ酸の一種であることから毛髪との相性も良く、シャンプーやコンディショナーに配合すると髪のタンパク質の主成分であるケラチンと水素結合によって相互作用し、失われた保湿作用をよく補います。
天然由来で食品やサプリメントとしてもお馴染みの成分で、安心、安全に利用可能な成分です。また、かつては茶葉から抽出していたため入手が困難でしたが、微生物発酵を利用することによって比較的手軽に入手できるようになりました。しかし、保湿成分としてはグルタミン酸をはじめ、他にも優れた効果を発揮するものが多く存在するため、テアニン以外の成分が利用されるケースも多いです。
類似した成分としてはグルタミン酸が挙げられます。グルタミン酸はテアニンと類似した構造を持ったアミノ酸の一種で、保湿や髪の補修を目的に利用されますが、テアニンと比較してより酸性度が強い、やや肌に吸収されにくい等の特徴を持っています。化粧品にはそれぞれの特性を活かす形で使い分け、もしくは併用がされますが、大量に入手可能なグルタミン酸の方がより多くの製品に利用されています。