銀

使用の目的：殺菌作用

類似した成分：イソプロピルメチルフェノール、銅

銀とは一部のメイクアップ、スキンケア、デオドラント製品等に含まれている成分で、化学式Agで表される金属の一種です。化粧水やボディシートなどでは「銀イオン」と呼ばれる水溶液がしばしば利用されており、常温では特徴的な銀白色の線状、もしくは粉末状の固体で、水にも油にも溶けにくい性質を持っています。銀は天然に産出する鉱石を精錬することで得られ、銀イオンは水中に銀性の電極を投入し、それを電気で分解することによって得られます。

　特筆すべき性質としては優れた殺菌作用が挙げられます。銀イオンの殺菌メカニズムには諸説ありますが、微量であっても多くの細菌を死滅させ、その増殖を抑える作用があることが確認されています。そのため、肌につけると汗の成分の分解による臭いの発生を抑えたり、ニキビや肌荒れを緩和したりする効果が期待できます。また、金属としての銀は特徴的な光沢を持っているため、ポイントメイク製品を中心に少量用いられることもあります。

　食器や歯の被せ物としても長く利用されてきた成分であり、他の殺菌剤と比較しても安心、安全に利用可能な成分です。また、金属アレルギーに関しても比較的リスクが少ない成分として知られています。しかし、殺菌成分を過剰に使用すると肌にとって必要な細菌まで死滅させてしまい、肌荒れを引き起こす原因となるため注意が必要です。また、過去には「十分に銀イオンが含まれていない」製品が流通したことがあったため、ある程度知名度の高い会社の製品を購入した方がより安心です。

　類似した成分としてはイソプロピルメチルフェノールが挙げられます。イソプロピルメチルフェノールは銀と同様に高い殺菌効果があることが知られており、スキンケアやデオドラント製品に広く用いられていますが、水に溶けにくく、エタノールやアセトンに溶けやすい性質を持っています。化粧品にはそれぞれの特性を活かす形で使い分け、もしくは併用がされています。