α-ピネン

成分

使用の目的:樹木系の香り成分

類似した成分:ヒノキチオール

α-ピネンとは樹木系の精油や香料に含まれている成分で、化学式C10H16で表わされるモノテルペンの一種です。主にマツやヒノキといった針葉樹、オレンジの皮などに豊富に含まれており、エタノールやアセトンに極めて溶けやすく、水に溶けにくい性質を持っています。常温では無色透明の液体で、化粧品用途では単独の成分としてはあまり用いられず、エキスや精油に含まれた状態のものを使用します。

 特筆すべき性質としてはその独特の香りが挙げられます。α-ピネンの匂いは「森の香り」と形容され、ハイキングや森林浴で森に入った時に感じられるものです。気分をリラックスさせる効果に大変優れており、吸い込むと副交感神経を活性化させ、ストレスホルモンの一種であるコルチゾールの分泌を抑える働きがあります。また、他の鎮静作用がある成分との相乗効果も認められており、しばしば一緒に用いられます。

 とても自然で爽やかな香りのため、多くの人に受け入れられやすく、リラックス効果も高いため、海外ではα-ピネンを摂取する目的での森林浴が推奨されている程の成分です。しかし、高濃度では目や肌に対する刺激性があり、また、ベースノートとして香りが長時間持続してしまうため、単体を高濃度で用いる用途には不向きです。

 類似した成分としてはヒノキチオールが挙げられます。ヒノキチオールはタイワンヒノキやヒバなどに豊富に含まれている成分で、α-ピネンと同様、リラックス効果の高い香りが特徴ですが、香り以外にも高い殺菌効果が知られており、天然由来、低刺激の防腐剤や肌の殺菌目的でも利用されています。

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