使用の目的:血行の促進、増粘剤
類似した成分:炭酸水素ナトリウム
硫酸ナトリウムとは入浴剤等を中心に利用されている成分で、化学式Na2S04で表される無機塩の一種です。水和物は芒硝と呼ばれることもあり、常温では白色の粉末状の物質で、水に溶けやすく油と馴染みにくい性質を持っています。工業的には硫酸と水酸化ナトリウム、もしくは硫酸と塩化ナトリウムを反応させることによって大量に合成可能です。
特筆すべき性質としては血行促進作用が挙げられます。硫酸ナトリウムが含まれた化粧品を肌につけると浸透し、皮膚表面の微細な血管を刺激します。そして、刺激された血管は拡張されて血行が促進されるため、温まったように感じられます。また、硫酸ナトリウムは肌表面で薄い皮膜を形成するため、熱を逃さないようにする効果も期待できます。これらの効果は入浴剤にとっては最適で、最も一般的な成分として利用されています。
天然の芒硝泉の成分としても知られており、肌への毒性や刺激性も通常利用の範囲では確認されていないため、安心、安全に利用可能な成分です。また、硫酸ナトリウムには増粘作用があることも知られているため、一部のヘアケア製品等にも利用されています。しかし、入浴剤として利用した場合、泡や色、匂いなど視覚で訴える要素に乏しいため、一般的には他の成分との組み合わせで利用されています。
類似した成分としては炭酸水素ナトリウムが挙げられます。炭酸水素ナトリウムは硫酸ナトリウムと同様に無機塩の一種で、血行促進を目的として入浴剤等に用いられますが、水に溶かすと炭酸ガスを発生するため、視覚的に訴える効果に優れています。化粧品にはそれぞれの特徴を活かす形で利用されていますが、入浴剤に炭酸水素ナトリウムが利用される場合、硫酸ナトリウムもかなりの割合で併用されています。
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