冬のバスタイムのお供に!入浴剤にはどんな成分が含まれているの?

読みもの

バスタイムの素敵なお供、入浴剤

 貴方は普段、どんなバスタイムを過ごしていますか。湯船に浸かるのがつい面倒で、普段はシャワーで済ませてしまう、といった方から本やスマホを持ち込んだり、あれこれ考え事をしたりしながら長湯するのが好き、といった方まで様々かと思いますが、冬の寒い時期はゆっくりと湯船に浸かりたくなります。寒さで芯まで冷え切ってしまった時のお風呂は身体だけではなく、心の底から温めてくれます。

 そんな冬のバスタイムをもっと素敵に彩ってくれるアイテムが「入浴剤」です。入浴剤には粉状のもの、結晶状のもの、オイル状のものなど様々な種類がありますが、適量を掬って浴槽のお湯に溶かすことで、お湯が鮮やかな色に染まり、バスルームが素敵な香りで満たされます。また、色や香りを楽しむだけではなく、入浴剤を入れたお湯に浸かると普段よりも温まったり、肌がスベスベになったりしたように感じられます。普段、何気なく使っている方も多いかと思いますが、一体どのような成分が使われているのでしょうか。

入浴剤の目的と成分①肌の血行促進

 入浴剤を使う最大の目的は「お風呂の温浴効果をより高める」ことです。そのため、多くの入浴剤には「身体をより温める」成分として、硫酸ナトリウムや炭酸水素ナトリウムといった無機塩が利用されています。それぞれ温泉の芒硝泉、重曹泉の成分としても知られる両者をお湯に溶かすと成分が肌に浸透し、皮膚の微細な血管を刺激することによって血行を促進し、肌を内部から温めます。特に炭酸水素ナトリウムを多く使った「発泡入浴剤」ではこの効果を目で見て感じることができ、少量をお湯に溶かすだけで、無数の細かい泡が私達を包んでくれます。

 また、植物由来の温感成分もよく利用されています。最も馴染み深いものとしては冬の風物詩の1つ、「柚子湯」としてもお馴染みの柚子から抽出されたものでしょう。柚子には柑橘系の爽やかな香りを産み出すリモネンやシトラールが多く含まれていますが、肌を穏やかに刺激するため血行を促進します。また、より温かさを求めた製品には生姜や唐辛子から抽出された成分が利用されることもあります。生姜に含まれるジンゲロールやショウガオール、唐辛子に含まれるカプサイシンには肌の温感を司るTRPV1と呼ばれるチャネルを刺激する作用があるため、肌に触れると熱さを感じます。また、熱さを感じることによって血管が拡張され、血行が促進されるため、感覚だけではなく、実際に身体が温まります。

入浴剤の目的②肌をしっとり、スベスベにする

 身体を芯まで温めてくれる入浴剤ですが、もう1つの効果として、湯上がりの肌をしっとり、スベスベとさせてくれる効果も期待できます。先に身体を温める成分として紹介した硫酸ナトリウムや炭酸水素ナトリウムはいずれも弱アルカリ性の成分ですが、皮脂を溶かして角質を軟化させる働きがあります。そのため、入浴剤を入れたお湯に浸かると不要な皮脂が取り除かれ、また、角質層による引っかかりが緩和されるため、湯上がりの肌の触り心地はとても滑らかになります。

 入浴剤のしっとり感をより強くしたい場合、グリセリンやヒアルロン酸などの水を取り込みやすい保湿成分、あるいは植物油や流動パラフィンなど、肌表面に油膜で蓋をして、水分蒸発を防ぐための成分が利用されます。また、湯上がりのスベスベ感を上げたい場合、皮脂を取り除く作用に優れたリモネンを豊富に含んだ柚子などの抽出物や、タンパク質を分解する作用に優れたパパイン等の分解酵素が利用されます。これらの成分は短時間の入浴には効果的ですが、長時間お湯に浸かると必要な皮脂まで取り除いてしまったり、刺激を感じてしまったりすることがあります。本やスマホを持ち込んでゆっくり湯船に浸かりたいときは、別な入浴剤を使った方が良いでしょう。

 入浴剤で素敵なバスタイムを!

 入浴剤の主な効果は先に紹介した2点ですが、最近ではバスタイムをより快適にするため、様々なプラスアルファの効果を持った製品が発売されています。最も効果を実感しやすいものは「香り」を取り入れたものです。香りは人の脳に直接働きかけるため、精油由来の成分が含まれた入浴剤ではいわゆる「芳香浴」を楽しむことができ、香りの種類に応じた効果を期待することができます。また、入浴剤の「色」も大事な要素で、温泉のご当地に行った気分を楽しんだり、好みの色に癒やされたりすることができます。

 1点だけ残念なことは、入浴剤は「温泉」を完全に再現できないことです。入浴剤は炭酸ガスから精油まで、様々な成分を取り入れることができますが、アルカリや硫黄の強いもの、有機物を多く含んだものについては浴槽の痛みや配管の詰まりの原因になったり、安全性に問題があったりするため再現が困難です。市販されている入浴剤の中にはご当地の温泉をテーマにしたものがありますが、色や匂いなどは再現されているものの、実際には別な成分が使われています。本物の温泉を堪能したい場合は実際に足を運んで、ご当地の景色やグルメと一緒に楽しむようにしてください。

 バスタイムは貴方にとってどんな時間ですか。何よりの楽しみ、面倒な時間など、人によってそれぞれかと思いますが、入浴剤はどんな人にとってもバスタイムの満足感を上げてくれるアイテムです。普段使っている人もそうでない人も、改めて自分のお気に入りを探してみてはいかがでしょうか。きっと貴方の毎日が、もう少しだけ幸せなものになることでしょう。

コメント

タイトルとURLをコピーしました