1,3-ブチレングリコール

成分

使用目的:肌の保湿、天然由来成分の溶媒、抗菌、防腐作用

類似した物質:プロピレングリコール

1,3-ブチレングリコールとはスキンケア化粧品を中心に幅広く使用されている成分で、組成式C4H10O2で表現されるアルコールの1種です。1,3-ブチレングリコールは医薬部外品としての名称で、化粧品成分としてはBG、1,3-ブタンジオール等、複数の呼称が存在します。工業的にはアセトアルデヒドを縮合、還元することによって得られます。常温では無色透明、無臭の液体で水やエタノールに極めて溶けやすく、水を周囲から吸湿する作用も持ち合わせています。また、べたつきが少ないため、化粧品に配合しても使用感を変化させません。

 特筆すべき性質としては水にも油にも溶けやすい、両親媒性の成分であることが挙げられます。スキンケア化粧品で使用される成分については他にもグリセリンやエタノール等、両親媒性のものを複数挙げることが出来るのですが、肌への刺激や使用感の変化等、化粧品に配合するには必ずしも望ましくない性質を持っていることが多いです。1,3-ブチレングリコールは肌への刺激が弱く、化粧品の使用感を変化させない、溶かし込んだ物質を均一に分散させるといった溶剤として大変望ましい性質を持っており、スキンケア化粧品において、主に植物由来の成分を溶かし込むために利用されています。

 また、1,3-ブチレングリコールに抗菌作用も認められており、エタノールやメチルパラベンといった殺菌剤として使用される成分には及ばないものの、化粧品中の雑菌の繁殖を抑える働きを担っており、しばしば両者を組み合わせる形で利用されています。保湿効果についても他のそれを目的として配合される成分には及びませんが、ある程度期待することが可能です。類似した成分としてはプロピレングリコールが挙げられます。溶剤としての観点から評価した場合、1,3-ブチレングリコールが植物由来の成分を溶かし込むために使用されるのに対して、プロピレングリコールは色素や香料を溶かし込むために利用されます。また、両者の他の性質を比較した場合、1,3-ブチレングリコールが抗菌性に優れているのに対してプロピレングリコールは保湿作用により優れています。

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