使用の目的:シミ、ソバカスの予防(美白成分)
類似した成分:ロドデノール、ハイドロキノン
マグノリグナンとは一部の美白を目的としたスキンケア化粧品に利用されていた成分で、化学式C18H22O2で表されるフェノール類の一種です。正式には5,5′-ジプロピル-ビフェニル-2,2′-ジオールと呼ばれ、2005年に医薬部外品の美白成分として認可を受けています。モクレン科のホオノキの樹皮に含まれるフェノール二量体と呼ばれる成分を元に開発された成分で、水やエタノールにやや溶けやすい性質を持っています。
特筆すべき性質としては特徴的な美白作用が挙げられます。マグノリグナンが含まれた化粧品を肌につけるとメラニン色素の合成に欠かせない酵素である酵素チロシナーゼに作用し、メラニン色素の合成を阻害します。ハイドロキノンやコウジ酸といった強力な美白成分はチロシナーゼ自体の活性を阻害しますが、マグノリグナンの作用はやや異なり、チロシナーゼを失活させることなく、その成熟を抑えることによって失活させます。
マグノリグナン自体は肌への毒性や刺激性も少なく、安心して利用可能な成分です。また、美白効果についてはハイドロキノンには及ばないものの、コウジ酸やアルブチンよりも強力であることが判っています。しかし、化粧品メーカーによって開発された独自成分であるため、配合される製品は当該メーカーの製品に限られ、また、併用されていた成分が問題となったため、現在ではあまり利用されていません。
類似した成分としてはロドデノールが挙げられます。ロドデノールはマグノリグナンと同様に美白効果を持った成分として知られ、しばしば併用されていましたが、酵素チロシナーゼに働きかけた際に生成する誘導体がメラノサイトを死滅させ、白斑を引き起こしたため、現在では使用が禁止されています。高い美白効果を期待する場合、ロドデノールと類似した効果を持ち、比較的安全性が高いハイドロキノンが主に用いられます。
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