使用の目的:皮脂の除去
類似した成分:パパイン、ブロメライン
リパーゼとは一部の洗顔料等に利用されている成分で、脂質を分解する酵素の一種です。常温では黄褐色の粉末状の物質で、水に僅かに溶ける性質を持っています。動物の体内に広く含まれていますが、原料としては微生物由来のものが一般的に用いられています。
特筆すべき性質としては優れた皮脂の分解作用が挙げられます。リパーゼには多くの種類がありますが、いずれも肌につけると皮脂の主要成分である脂肪酸トリグリセリドに作用し、加水分解を促進する働きがあります。加水分解によって生じたグリセリンや脂肪酸はより簡単に洗い流すことができるため、リパーゼを含んだ製品を使うことで肌のテカリやベタつきを抑えることが可能です。
天然由来で生体内にも存在する成分のため、安心、安全に利用可能です。また、リパーゼは脂肪酸エステルの分解作用に秀でている一方でタンパク質を分解する作用はないため、肌への刺激は抑えられます。しかし、必要な皮脂まで取り除いてしまうことは肌の乾燥の原因となり、一方でタンパク質分解作用がないことは古い角質や毛穴詰まりの解消にはやや力不足になることがあります。
類似した成分としてはパパインが挙げられます。パパインはリパーゼと同様に酵素の一種で皮脂の分解に効果的ですが、リパーゼが脂肪酸エステルの分解に特化しているのに対し、パパインはタンパク質を中心に脂肪酸エステル、糖類など多くの物質を分解するため、より高い洗浄効果を期待することができます。化粧品には求める洗浄力の強さに応じた使い分けがされています。
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