使用目的:ヘアスタイリング剤の粘度調整、皮膜形成
類似した成分:PVP
VP/VAコポリマーとはヘアスタイリング剤等に使用される成分で、酢酸ビニルとビニルピロリドンを共重合させることによって得られるポリマーの一種です(医薬部外品としては酢酸ビニル・ビニルピロリドン共重合体と表記されます)。常温では白色の固体で、水とも油とも馴染みやすい性質を持っています。
特筆すべき性質としては皮膜形成作用が挙げられます。(VP/VA)コポリマーは水に溶けやすい性質を持っていますが、乾燥するとフィルム状の膜を形成します。この皮膜は粘性、接着性に優れていますが、酢酸ビニルの比率を調整することによって物性が変化します。酢酸ビニルの割合を増やすと接着力が上がるため、髪を固める目的で使用するヘアスタイリング剤では酢酸ビニルの割合が相対的に多く、自然な仕上がりの製品ではビニルピロリドンの割合が多くなります。
肌への刺激も認められず構造的にも安定しているため、安心、安全に利用可能な成分です。また、増粘剤として利用されているカルボマーと馴染みやすいといったやや珍しい性質を持っているため、ヘアジェルとして容易に製品に取り入れることが可能です。しかし、べたつきの強い皮膜といった性質上、肌に直接つける用途としてはやや不向きで、ヘアスタイリング剤以外では一部のアイメイク製品等への利用にとどまっています。
類似した成分としては PVPが挙げられます。PVPは (VP/VA)コポリマーと同様に乾燥することによって皮膜を形成しますが、やや増粘作用、接着作用がマイルドなため被膜形成目的のみにとどまらず、製品へのとろみの付与や泡立ちを良くする目的でも広く使用されています。
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