使用の目的:増粘剤
類似した成分:カルボキシビニルポリマー、グアーガム
カラギーナンとは一部のメイクアップ、スキンケア化粧品等に含まれている成分で、D-ガラクトースとアンヒドロガラクトースの共重合体の硫酸エステルです。カラジーナンと呼ばれることもあり、常温では白色の粉末状の物質で、水に溶けやすく、油に溶けにくい性質を持っています。紅藻類の細胞膜を形成している成分で、化粧品や食品向けとして、アルカリ抽出したものが用いられています。
特筆すべき性質としては特徴的な増粘作用が挙げられます。カラギーナンには構造の異なる3種類が存在し、それぞれκ、ι、λと呼ばれていますが、添加することによってκは硬くて強度の高いゲル、ιは柔らかくシュードプラスチック性(力を加えると粘度が下がり、取り除くと元に戻る性質)に優れたゲルを形成します。このゲルを肌につけると優れた保湿作用と相まって、ハリを感じることができます。
天然由来の成分で肌への刺激性や毒性もなく、食品添加物としてもお馴染みであるため、安心して使用可能な成分です。一時期動物実験による発がん性が取り上げられましたが、現在ではそのリスクは十分に低いとされています。しかし、原産国がフィリピンやインドネシアなどの一部の地域に偏っていることから、害虫の被害などによって供給が不安定になったことがありました。
類似した成分としてはカルボキシビニルポリマーが挙げられます。カルボキシビニルポリマーはカラギーナンと同様に水溶性の増粘剤として化粧品に利用されていますが、肌触りの良さはカラギーナンに及ばないものの、水と油を共存させる性質に優れていること、また、石油由来で供給が安定していることから、より一般的な増粘剤として利用されています。
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