使用の目的:基剤成分
類似した成分:リンゴ酸ジイソステアリル
ジカプリル酸プロピレングリコールとはメイクアップ化粧品を中心に化粧品に幅広く含まれている成分で、化学式C19H36O4で表される脂肪酸とアルコールのエステルです。常温では無色透明もしくは淡黄色の液体で、水とは馴染みにくい一方、油性成分とよく馴染みます。工業的にはプロピレングリコールを塩化オクタノールと反応させることによって得ることができます。
特筆すべき性質としては油性の基剤成分としての優れた性能が挙げられます。ジカプリル酸プロピレングリコールは様々な油性成分と馴染みやすく、製品の基剤として用いると馴染みにくい鉱物油と植物油を仲介し、安定した状態で共存させることができます。また、油性成分としては粘度が比較的低く、さらさらとした使い心地のため、シリコーンオイルの代替成分として用いられることもあります。
化粧品に一般的に使用されている成分で、肌への刺激性や毒性も確認されていないため、安心、安全に利用することができます。また、粘性の低さは他の成分の使用感を損なわないため、組み合わせて利用しやすい成分です。しかし、メイクアップ製品に関しては製品の特性上、粘性が強い成分が求められることが多く、最善の選択ではないケースもあります。
類似した成分としてはリンゴ酸ジイソステアリルが挙げられます。リンゴ酸ジイソステアリルはジカプリル酸プロピレングリコールと同様に油性成分の基剤として用いられますが、粘性が非常に高く、メイクアップ化粧品の基剤成分としてはより適したケースが多いです。製品にはそれぞれの特徴を活かす形で使い分け、もしくは併用がされています。
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