使用の目的:保湿
類似した成分:エラスチン、加水分解コラーゲン
加水分解エラスチンとはスキンケア製品を中心に利用されている成分で、コラーゲンと共に肌の真皮層を形成しているタンパク質の一種であるエラスチンを酸や酵素によって分子量2,000〜5,000程度に加水分解することで得られます。常温では白色の粉末状の成分で、水に比較的馴染みやすく、油と馴染みにくい性質を持っています。化学的な合成は不可能で、牛や魚由来のタンパク質から抽出したエラスチンを原料にしたものが用いられています。
特筆すべき性質としては優れた保湿作用が挙げられます。加水分解エラスチンは分子内に水と馴染みやすいヒドロキシル基などの部位を多く持っていること、また、生体由来成分で肌との適合性に優れているため、肌につけると表面からの水分蒸発をよく防ぎます。また、加水分解を経ることによって分子量が小さくなり、肌の角質層にある程度浸透するようになるため、その保湿作用は通常のエラスチンと比較してより高くなります。
天然由来でヒトの体内にも存在するエラスチン由来の成分で、肌への刺激性や毒性もないため、安心、安全に利用可能です。また、他の保湿成分と併用することでベタつきを抑え、化粧品の使用感を向上させる効果も期待できます。しかし、分子量が比較的小さいものであっても肌の真皮層にまでは浸透しないため、加水分解エラスチンが使用された製品であっても、肌内部のエラスチンの不足を補うことは困難です。
類似した成分としては加水分解コラーゲンが挙げられます。加水分解コラーゲンは加水分解エラスチンと同様に肌の真皮層を形成している成分であるコラーゲンの加水分解物で、加水分解エラスチンと同様に保湿効果を期待して用いられますが、より保湿成分としては一般的なもので、油との馴染みやすさを重視したもの、分子量を500以下まで分解して浸透性を特に高めたものなど様々なバリエーションが存在します。化粧品にはそれぞれの特徴を活かす形で使い分け、もしくは併用されます。
