ファンデーションの役割と種類
突然ですが、貴方のメイクボックスの中にはどんな化粧品が入っていますか?仕事柄バッチリメイクでいつも出勤しています、メイクは始めたばかりです、今はメイクよりも子供が大事です、人によって考え方はそれぞれで、中身も様々かと思いますが、おそらく、ファンデーションは必ず入っているかと思います。化粧水や乳液で肌のお手入れをした後、洋服に例えるとシャツやブラウスを着る感覚で、よそ行きの自分を魅せるためのコーディネートのベースとしてファンデーションをつける、そんな方は多いのではないでしょうか。敢えてまたお話することもないかと思いますが、ファンデーションをつけることによって、肌のシミや毛穴を隠したり、肌の色を好みと地肌の色に合わせて、より魅力的に変えたりすることができます。
そんなファンデーションですが、現在製品化されているものとしては大きく分けてパウダーファンデーション、リキッドファンデーション、クリームファンデーション及びクッションファンデーションの4種類が存在します。これらは使用感が大きく違うだけではなく、カバー力や水分量、崩れにくさ等、それぞれの長所を持っており、目的や好みに応じて使用されています。
ファンデーションの基本成分「顔料」
良いファンデーションにとって欠かせない要素は保湿や使い心地も勿論ですが、何よりも肌をしっかりと整え、1日その状態をキープできることです。そして、地肌の色に合わせたものを選べることも合わせて重要になります。特に世界中の人が集まるアメリカやフランス発の化粧品メーカーから発売されるファンデーションのバリエーションは大変豊富で、どんな色でも選り取り見取りで選ぶことができます。
ファンデーションの肌色は総称して「顔料」と呼ばれる成分によって生み出されており、絵の具を混ぜ合わせるような感覚でいくつかの成分、主に白、黄色、赤、黒の4色の成分を混ぜることにより、あらゆる色を表現することができます。
白を表現する成分としては酸化チタンや酸化亜鉛が代表的です。これらは目に見える光を反射するため、白く見える性質を持っています。また、目に見える光だけではなく紫外線も反射するため、UVカットの目的でも使用されることもあります。
一方、他の黄色や赤、黒を表現する成分としては酸化鉄が用いられます。酸化鉄は天然でも比較的簡単に入手が可能な物質で、また、結晶構造によって黄色、赤色、黒色に見えるため、古くから顔料として幅広く利用されてきました。この色の組み合わせは白の顔料と合わせて使用することにより、世界中のあらゆる人々の肌の色を表現することができるため、化粧品の顔料としてほぼ全てのファンデーションに使用されています。
ファンデーションのテクスチャと成分の違い
ファンデーションの基本となるのは先に紹介した「顔料」ですが、他に組み合わせて使用する成分、特に油分と水分の量によってファンデーションの形状や使用感は大きく異なります。最も顔料以外の成分が少ないものがパウダーファンデーションです。パウダーファンデーションは顔料成分に10%前後の油分を加えたもので、油分や若干の界面活性剤の効果で肌になじみやすくはなっているものの、その名前の通り「パウダー状の」ものです。
一方、リキッドファンデーションやクリームファンデーションは顔料にパウダーファンデーションにより多くの油分を加え、さらに水分や保湿成分等を加えたものとなります。油分、水分が多くみずみずしいテクスチャのため、肌の上で伸ばしやすく、乾燥肌でも利用しやすいのがメリットです。本来なじみにくい油分、水分を製品中で共存させる必要があるため、乳化剤や界面活性剤をより多く含む処方となります。
最近にわかに脚光を浴びているのがクッションファンデーションです。クッションファンデーションは先の3つとはやや趣旨が異なり、一種のオールインワンアイテムとしての性格を持っています。水分を豊富に含み、美容液や化粧下地等に使われる成分も含んでいるため、スキンケアとベースメイクを一度に済ませることができ、ファンデーションとしての使用感はパウダーとリキッドを足して2で割ったような感触です。
肌質に合わせたファンデーションの選び方
では、この油分、水分の違いを踏まえた上で、どのようにファンデーションを選べば良いのでしょうか。基本的にはカバー力(リキッド系のファンデーションの方が優れています)や仕上がり(パウダー系の方が自然な仕上がりになります)、メイクの時短の実現等、ニーズに合わせて選んで下さって構わないのですが、迷った場合はご自身の肌質に合わせて選ぶのも1つの方法です。
いわゆる「脂性肌」の場合はパウダーファンデーションが最適な選択肢になります。リキッド系のファンデーションは伸びも良くて使いやすいのですが、脂性肌の上から使用すると油分が過剰になり、いわゆる「テカリ」が生まれてしまいます。パウダーファンデーションには油分があまり含まれていないため、自然な光沢感を出すことが可能です。
この油分が少ない、といったパウダーファンデーションの特徴は「敏感肌」の方にとってもメリットです。油分に加えて油分と水分を混ぜ合わせるための界面活性剤も少ないため、肌への負担が他のファンデーションと比較して少ないです。油分や添加物を極力抑えた処方も開発されており、やや伸ばしにくいため使用には若干の慣れが必要ですが、肌により負担をかけることなく使用することが可能です。
一方、いわゆる「乾燥肌」寄りの場合、使いやすさの観点からはリキッド系のファンデーションがよりお勧めできます。パウダーファンデーションを使用すると肌の油分が少なくパサついた仕上がりになってしまうため、リキッド系のファンデーションで水分、油分を補いながらメイクを行うことにより、綺麗に仕上げることができます。また、特に乾燥に悩んでいる場合は保湿成分等が含まれたクッションファンデーションを使うのも良いでしょう。パウダー系のものも使用可能ですが、入念な保湿ケアを行うようにしてください。
毎日のように使う身近な存在でありながら、色々あり過ぎて選び方に困るファンデーション、初めて選んだものをずっと使っています、もう何年も同じものを使っているけど、そろそろポップでキュートな容器のデザインが似合わないと感じるようになってきた、そういった話もよく聞きます。ずっと同じものというのも安心かもしれませんが、貴方の肌をより良く魅せるため、改めてもう一度目を向けて、選んでみてはどうでしょうか。
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