酸化アルミニウム

使用の目的：パール光沢の付与

類似した成分：アルミニウム

　酸化アルミニウムとはメイクアップ製品を中心に幅広く利用されている成分で、化学式Al2O3で表される金属酸化物の一種です。アルミナと呼ばれることもあり、常温では白色もしくは黄色の粉末で、水にも油にも溶けにくい性質を持っています。工業的にはアルミニウムを含んだ原料ボーキサイトを水酸化ナトリウム溶液で処理することによって大量に得られます。

　特筆すべき性質としては白く滑らかなパール光沢が挙げられます。酸化アルミニウムの結晶はパール光沢を持ち合わせていますが、透明感のある白さが特徴で、他の顔料と併用することで光沢感を出したり、色のトーンを明るくしたりする目的で利用可能です。また、酸化アルミニウムは代表的な白色顔料である酸化チタンの望まない触媒活性を抑制する働きもあるため、その目的でしばしば併用されます。

　化粧品以外の用途でも広く用いられており、肌への刺激やアレルギーの心配も比較的少ないため、安心して利用可能な成分です。一時期アルミニウムとアルツハイマー型認知症との関連が話題となりましたが、現在では十分な根拠なしとして否定されています。また、透明感のある白色はメイクアップ製品との相性が非常に良く、様々な組み合わせで使うことができます。

　類似した成分としてアルミニウムが挙げられます。アルミニウムは酸化アルミニウムと同様にメイクアップ製品、ネイル製品にパール光沢を出すために利用されますが、酸化アルミニウムと色合いが異なり、特徴的な銀白色の金属光沢を持っています。化粧品にはそれぞれの特徴を活かす形で使い分けがされますが、酸化アルミニウムがファンデーション等に好んで利用されるのに対して、アルミニウムはポイントメイクやネイル製品を中心に利用されます。