使用の目的:増粘剤、パウダー製品の結合、保湿
類似した成分:デキストリン
マルデキストリンとはメイクアップ製品を中心に利用されている成分で、デンプンを加水分解することによって得られるグルコース重合体の一種です。広義のデキストリンに分類され、グルコース分子が数個〜20個程度重合した構造を持っており、常温では白色の粉末状の物質で、水に比較的溶けやすく、油に溶けにくい性質を持っています。また、特に重合度の少ないものを粉飴と呼ぶこともあります。工業的にはデンプンを酸や酵素アミラーゼで加水分解することによって得られます。
特筆すべき性質としては増粘作用が挙げられます。デキストリンを水に溶かすと接着力に優れ、かつ粘度の高い状態となります。そのため、化粧品の肌への付着性を上げ、使用感を改善させたり、パウダー系の製品に配合し、粉の飛散を防いだりする目的で用いられることもあります。また、デンプン重合体の中では比較的水と馴染みやすいため、保湿、保水を目的として使用することもできます。
天然由来の成分で肌への毒性や刺激性もなく、安心、安全に利用可能な成分です。また、マルトデキストリンは十分に水に溶けやすく、グルコースよりも粘度や粘着性に優れています。しかし、分子量が小さく、分子内の水素結合が比較的弱いため粘着力にはやや劣り、また、グルコースと比較すると保水力にはやや劣ります。
類似した成分としてはデキストリンが挙げられます。デキストリンはマルトデキストリンと同様にグルコース重合体の一種ですが、デキストリンと比較してより分子量が大きく、水への溶解度は低いものの、接着力や粘度の面で優れています。化粧品にはそれぞれの特徴を活かす形で使い分けがされており、水性の製品にはマルデキストリン、パウダー等にはデキストリンがやや好んで用いられます。
コメント