メントキシプロパンジオール

成分

使用の目的:清涼感の付与、抗炎症作用

類似した成分:メントール、メチルジイソプロピルプロピオン酸アミド

 メントキシプロパンジオールとは一部のスキンケア製品、涼感コスメに利用されている成分で、化学式C13H26O3で表されるメントール誘導体の一種です。3-(メンチルオキシ)プロパン-1,2-ジオールと呼ばれることもあり、常温では無色透明で微香性の液体で、水に溶けにくく、エタノールに溶けやすい性質を持っています。工業的にはメンソールとプロピレングリコールを反応させることによって得ることができます。

 特筆すべき性質としては使用した際に体感温度を下げる作用が挙げられます。肌の表皮層、真皮層には温度を感じるためのTRPチャネルと呼ばれるセンサーが存在しますが、メントキシプロパンジオールが肌の表面に触れるとTRPチャネルの中で冷たい温度に反応する部位であるTRPM8が活性化さるため、涼しいと錯覚します。また、メントキシプロパンジオールにはTRPM8と近い、痛みに反応する部位であるTRPA1の働きを抑える効果があるため、穏やかな抗炎症作用も期待できます。

 元々安全性の高いメントール由来の成分で、メントールの欠点であるTRPA1への作用による刺激感を抑えた成分であるため、比較的安心、安全に利用可能です。また、メントールと比較して揮発性が低いため、効果が長時間持続し、匂いも気になりません。しかし、メントキシプロパンジオールの冷感作用はメントールの半分以下であるため、場合によってはひんやり感が足りないと感じることがあるかもしれません。

 類似した成分としてはメントールが挙げられます。メントールはメントキシプロパンジオールの原料となる成分で、清涼感の付与を目的として化粧品に利用されますが、より清涼感が強く、肌への刺激感も強めです。化粧品にはそれぞれの特徴を活かす形で使い分け、もしくは併用がされますが、メントールの方がより一般的に利用されています。

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