使用の目的:清涼感の付与、香料
類似した成分:メントール、メントキシプロパンジオール
メチルジイソプロピルプロピオン酸アミドとは一部の涼感コスメに利用されている成分で、化学式C10H21NOで表されるアミド化合物の一種です。常温では白色の微香性の結晶で、水を含む様々な溶媒に比較的溶けやすい性質を持っています。化粧品には工業的に合成されたものが利用されています。
特筆すべき性質としては優れた使用した際に体感温度を下げる作用が挙げられます。肌の表皮層、真皮層には温度を感じるためのTRPチャネルと呼ばれるセンサーが存在しますが、メチルジイソプロピルプロピオン酸アミドが肌の表面に触れるとTRPチャネルの中で冷たい温度に反応する部位であるTRPM8が活性化さるため、涼しいと錯覚します。また、その効果は穏やかではあるものの長時間持続します。
同じ冷感成分として知られるメントールと比較して肌への作用や香りが穏やかで、安心、安全に利用可能な成分です。また、水や他の溶媒に溶けやすいため、様々な製品に配合することができます。しかし、作用が穏やかであるが故に、すぐに涼しさを求めたい場合には力不足を感じるかもしれません。
類似した成分としてはメントールが挙げられます。メントールはメチルジイソプロピルプロピオン酸アミドと同様に清涼感の付与を目的として化粧品に利用されますが、より清涼感が強い一方、エタノール以外の溶媒に溶けにくく、また、肌への刺激感も強めです。化粧品にはそれぞれの特徴を活かす形で使い分け、もしくは併用がされますが、メントールの方がより一般的に利用されています。