カーボンブラック

成分

使用の目的:黒色顔料

類似した成分:酸化鉄、炭

カーボンブラックとは一部のメイクアップ製品やヘアカラー製品に使用されている成分で、基本的には化学式Cで表される炭素原子が不規則に結合した分子です。常温では濃い黒色の粉末で、水やエタノールにほとんど溶けません。一般的には「炭」と呼ばれるものが該当しますが、工業的には石炭や重油を不完全燃焼させることによって生成し、構造中に原料由来の官能基を一部残しています。尚、化粧品の世界で「炭」と呼ばれた場合、木炭が該当します。

 特筆すべき性質としては黒色顔料としての着色力の強さが挙げられます。化粧品の黒色顔料としては酸化鉄が有名ですが、カーボンブラックは一般的に最も黒色度が強い成分として知られており、少量で優れた黒色を出すことができます。そのため、アイブロウやヘアカラーリング剤で「黒」を基調としたい場合に用いられています。

 基本的には科学的に不活性な「炭」であり、肌への刺激性等も認められないため安心、安全に利用することができますが、顔料としての「黒」が強すぎるため、微妙な色味の表現にはやや不向きです。また、動物実験で若干の発がん性が確認されているため、少しだけ注意が必要です。

 類似した成分としては酸化鉄及び「炭」が挙げられます。酸化鉄は無機顔料の一種で、カーボンブラックと同様に黒色顔料として使用されますが、黒色度が比較的低いため、他の顔料と混合させて色味を出すことに向いています。また、木炭由来の「炭」は黒色顔料としても利用可能ですが、構造内に多数の孔を持っているため、スクラブ剤や吸着剤としても利用されています。

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