使用目的:シャンプーの洗浄成分、増粘剤
類似した成分:ヤシ油脂肪酸PEG-7グリセリル
コカミドDEAとはシャンプー等のヘアケア製品に広く利用されている成分で、脂肪酸アルカノールアミドの一種です。医薬部外品ではヤシ油脂肪酸ジエタノールアミドと呼ばれます。常温では薄黄色の液体で、工業的にはココヤシの実から得られるヤシ油、もしくはアブラヤシから得られるパーム核油とジエタノールアミンを反応させることによって得られます。
特筆すべき作用としては非イオン界面活性剤としての作用が挙げられます。コカミドDEAは通常の条件では(シャンプーの主成分である)陰イオン界面活性剤と比較して洗浄作用は劣りますが、水中に他に存在するイオンの影響を受けない為、例えばイオンに富んだ硬水であっても洗浄作用が落ちません。また、他の界面活性剤との共存が可能で、陰イオン界面活性剤の作用を助ける働きが認められています。また、コカミドDEAは増粘剤としての作用も知られており、シャンプー等にとろみをつけることによって肌への密着感、使用感を向上させます。
コカミドDEAは肌や眼に対する刺激もほとんどなく、天然由来でもあるため安心、安全に使用可能な成分です。また、一時発がん性への懸念が話題になりましたが、「現実的ではない環境で使用した場合に」「可能性を排除できない」といったものであるため、心配する必要はありません。しかし、単独の洗浄成分として考えた場合その効果がごく穏やかなため、シャンプー選びの際は他の成分に着目して考えることをお勧めします。
類似した成分としてはヤシ油脂肪酸PEG-7グリセリルが挙げられます。ヤシ油脂肪酸PEG-7グリセリルはヤシ油にグリセリンを反応させ、さらにエステル化することによって得られ、同様に陰イオン界面活性剤の洗浄作用を助ける目的で利用されますが、他に乳化剤として、もしくはクレンジング剤のベース成分としても利用されることもあります。
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