コエンザイムQ10

成分

使用目的:肌の保湿、抗酸化作用

類似した成分:ビタミンC誘導体、ビタミンE

コエンザイムQ10とは化粧水や美容液を中心に使用されている成分で、ヒトの細胞内に存在し、エネルギーを作り出す反応を助けるための補酵素の一種です。コエンザイムQ10の通称が有名ですが、正式にはユビキノンもしくはユビデカレノンと呼ばれます。常温ではオレンジ色の結晶で、甜菜やサトウキビから発酵させて合成する方法が一般的ですが、タバコに含まれる成分であるソラネソールを原料に、工業的に合成する方法も存在します。また、水に溶けにくく、油に溶けやすい成分です。

 かつては医薬品として開発、認可された成分ですが、経口摂取した場合の効果が穏やかであったため、現在では主にサプリメントもしくは化粧品として利用されています。化粧品に用いられる場合、最も期待できる効果は抗酸化作用です。コエンザイムQ10は分子量が大きく、肌の奥に浸透させるためにはナノ化等の処理が必要となりますが、主に皮膚表面で発生する活性酸素を除去し、シミやシワの発生を予防する働きを持っています。また、皮膚からの水分蒸発を防ぎ、保湿能力を高める効果があることが判っています。

 生体内で合成が可能な成分であり、肌への刺激性もないため化粧品として安心、安全に使用可能な物質です。しかし、化学的にはやや不安定なため安定化のための工夫が必要であること、また、医薬品としても使用されているため、配合量に制限があることが製品化のためのネックとなっています。

 コエンザイムQ10と類似した成分としてはビタミンC誘導体、ビタミンEが挙げられます。どちらも肌に塗ると強力な抗酸化作用を発揮し、活性酸素を除去することによってシミやシワの発生を抑制します。かつてはその機能が似ていることからコエンザイムQ10をビタミンQと呼ぶことがありましたが、現在ではビタミンの定義から外れているため、その呼称は用いられていません。

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