エタノール

成分

使用目的:清涼感の付与、抗菌、防腐作用、収れん作用、溶媒としての利用

類似した物質:1,3-ブチレングリコール、メントール

 エタノールとはスキンケア化粧品を中心に幅広く使用されている成分で、化学式C2H5OHで表現されるアルコールの1種です。広義のアルコールに分類される成分は多く存在しますが、一般的に「アルコールフリー処方」と呼ばれる場合、エタノールを含んでいないことを示しています。エチルアルコールの別名もよく使用されており、また、濃度に応じて無水エタノールと呼ばれることもあります。常温では無色透明の液体で、水とは任意の割合で混ぜることが可能です。お酒に含まれているアルコール分もエタノールで、特有の匂いを持っています。


 特筆すべき性質としては気温が高く皮脂の分泌量が多くなる夏の使用に向いていることが挙げられます。エタノールは大変揮発しやすい成分のため、肌に塗ると蒸発して表面の熱を奪い、ひんやりとした使用感を出すことができます。また、毛穴を引き締めて皮脂の分泌を抑える作用や拭き取りによって皮脂を取り除く作用も合わせ持っているため、夏向きのスキンケア化粧品や皮脂の分泌量が多い男性向け化粧品に多く取り入れられています。


 また、エタノールは製品としての化粧品を設計する上でも有用な成分です。エタノールは水にも油にも溶けやすい両親媒性の成分であるため、多くの成分を溶かし込むことができ、主に香料や植物性のエキスを溶かすために利用されています。また、抗菌、防腐作用を持っているためエタノールを取り入れることにより、他の防腐剤の使用を抑えることが可能です。


 広く利用されており健康な肌に使用する分には安全性も高い成分ですが、ダメージのある肌にはやや刺激が強く、また、表面の必要な皮脂も奪ってしまうため乾燥肌への使用はお勧めできません。また、アルコールにアレルギー反応を起こす場合があるため注意が必要です。


 類似した成分としては1,3-ブチレングリコール、メントールが挙げられます。1,3-ブチレングリコールはエタノールと比較して抗菌作用等は控えめですが、肌への刺激が弱く化粧品の使用感を損ねない為、他の成分を溶かすための溶媒としてより利用されています。また、メントールは化粧品においてはより清涼感を出すことに特化した目的で利用されています。

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