テトラヘキシルデカン酸アスコルビル

使用の目的:抗酸化作用、保湿

類似した成分:ジパルミチン酸アスコルビル

 テトラヘキシルデカン酸アスコルビルとはスキンケア製品を中心に利用されている成分で、化学式C72H128O10で表されるビタミンC誘導体の一種です。VC-IPと呼ばれることもあり、常温では透明な液体状の成分で、水に溶けにくく、油と馴染みやすい性質を持っています。工業的にはイソパルミチン酸とアスコルビン酸を反応させ、エステル化することによって得ることができます。

 特筆すべき性質としては穏やかで持続性に優れた抗酸化作用が挙げられます。テトラヘキシルデカン酸アスコルビルには肌のシミやくすみを防ぐ効果があることが知られていますが、その原因となるメラニン色素の合成を助ける酵素であるチロシナーゼを阻害する、もしくは生成したメラニン色素を還元して分解する作用によるものです。テトラヘキシルデカン酸アスコルビルの抗酸化作用は比較的穏やかではあるものの、安定性及び肌への浸透性の高さを特徴としています。

 天然由来でビタミンC誘導体の中では(イオン化せず)肌への刺激性がごく穏やかな部類であるため、安心、安全に利用可能な成分です。また、油と馴染みやすく髪のキューティクルを修復する作用があるため、ヘアケア製品にも利用されています。しかし、水には全く溶けず、また、他のビタミンC誘導体と比較すると即効性には劣ります。

 類似した成分としてはジパルミチン酸アスコルビルが挙げられます。ジパルミチン酸アスコルビルはテトラヘキシルデカン酸アスコルビルと同様に油と馴染みやすいビタミンC誘導体の一種で、化粧品に抗酸化作用を目的として利用されていますが、比較的即効性に優れていることが特徴です。化粧品にはそれぞれの特徴を活かす形で使い分けがされています。

タイトルとURLをコピーしました