クロロゲン酸

成分

使用の目的:抗酸化作用

類似した成分:コーヒー酸、コーヒー抽出物

 クロロゲン酸とはポイントメイク製品やアイクリームなどに使用されている成分で、化学式C16H18O9で表されるポリフェノールの一種です。カフェオイルキナ酸と呼ばれることもあり、常温では白色もしくは薄褐色の粉末状の固体で、水に溶けにくく、エタノールに溶けやすい性質を持っています。コーヒーにカフェインよりも大量に(5〜10%)含まれている成分で、工業的にはコーヒーからエタノール等を用いて抽出することで得られます。

 特筆すべき性質としては優れた抗酸化作用が挙げられます。クロロゲン酸は構造中の複数のヒドロキシル基が共役するカテコール骨格を持っており、紫外線などによって発生した活性酸素を安定化させます。そのため、肌につけると活性酸素による肌へのダメージ、及びそれによって引き起こされるシミやくすみの発生を抑える効果を期待できます。また、クロロゲン酸には保湿作用があり、肌の水分量増加やバリア機能の改善も期待することができます。

 天然由来で肌への刺激性や毒性もなく、基本的には安全に利用可能な成分です。また、クロロゲン酸はコーヒーやジャガイモに大量に含まれている成分で、安定して入手可能です。しかし、クロロゲン酸だけをコーヒーから抽出するのはやや効率が悪いため、通常はコーヒー抽出物として、他のカフェインやコーヒー酸と同時に利用されます。

 類似した成分としてはコーヒー酸が挙げられます。コーヒー酸はクロロゲン酸と同様にコーヒー由来のポリフェノールの一種で、強い抗酸化作用を持ち合わせていますが、より様々な植物に含まれることが特徴です。クロロゲン酸が単独成分として用いられることは稀ですが、コーヒー酸については単離したものが化粧品成分として時々用いられています。

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