韓国発の美容成分「CICA」とは?どんな効果があるの?

新着記事

化粧品に「シカ」?

 貴方は今、行ってみたい国がありますか。どこの国もそれぞれの良さがありますが、私達にとって最も身近な外国の1つが「韓国」でしょう。2泊3日でも満喫できる近さ、美味しい食べ物、スタイリッシュな音楽、ドラマのロケ地巡りなど、楽しめる要素が満載です。そして、韓国は美容に関する意識が高いことでも有名で、いわゆる「韓国コスメ」は定番のお土産の1つです。色とりどりのメイク製品、日本ではあまり見ないような成分が含まれたスキンケア製品は、最近ではお土産としてだけではなく、日本のお店でもすっかりとお馴染みの存在になりました。

 そんな韓国コスメの中で注目されている成分の1つがCICA(シカ)です。CICAは少し前に韓国発の「肌再生クリーム」の主成分として、アンチエイジングや肌の炎症を落ち着かせる効果があるとして盛んに宣伝され、今日ではスキンケア製品やBBクリームなどに配合される形で、多くの方に愛用される存在になりました。一気に有名になった感じのする成分ですが、一体どのようなものなのでしょうか。

「CICA」の正体、ツボクサエキス

 実はCICAは「古くて新しい」成分です。CICAはセリ科の植物ツボクサを原料としており、その名前はツボクサの学名であるCentella asiatica、あるいは英語で傷跡を意味するcicatrixに由来しています。ツボクサは古くから薬用のハーブとして知られ、含まれているテルペノイドの一種であるアジア酸やマデカッソ酸、アジアチコシドと呼ばれる成分が傷を治したり、抗酸化作用を示したりすることから、中国やインドを中心に薬として用いられてきました。そして、化粧品の分野では日本でこそやや地味な存在であったものの、中国などでは比較的古くからスキンケアに効果的な成分として取り入れられてきました。

 この「CICA」を日本でも有名な存在にしたものが韓国を中心に広まった「CICAクリーム」です。この製品は化粧水や乳液でケアした後のプラスアルファのスキンケア、あるいはBBクリームや化粧下地にスキンケアの役割を持たせることを目的として開発されました。CICAクリーム自体はややオイリーな製品が多いのですが、最近ではCICA、あるいはツボクサエキスを使った化粧水や乳液なども発売されており、好みに合った使い心地のものを選ぶことが可能です。

CICAの効果①抗炎症・鎮静作用

 CICAの代表的な効果の1つとしては、肌の炎症を鎮める作用が挙げられます。CICAにはマデカッソ酸やアジアチコシドが含まれていることは先述しましたが、これらの成分は肌の炎症を引き起こすメカニズムを阻害したり、抗酸化作用によって活性酸素による肌へのダメージを防いだりする作用が認められています。この作用はCICAの効果として経験的には知られていましたが、近年になって構造中のサポニンに由来することが明らかになっています。

 また、CICAには抗炎症作用の副次的な効果として、メラニン色素の肌への沈着を防ぐ作用も示唆されています。肌が炎症を引き起こすとそれに対する防御反応としてメラニン色素の合成が促進され、シミやくすみの原因となりますが、CICAは炎症反応自体を抑えることによってその作用を阻害します。この効果はCICA単独ではごく穏やかですが、ビタミンC誘導体等の抗酸化作用を持った他の成分と組み合わせることによって、高い相乗効果を発揮することが知られています。

CICAの効果②コラーゲン、セラミドの合成促進

 CICAのもう1つの代表的な効果としては「肌のコラーゲン・セラミドの合成促進」が挙げられます。CICAに含まれるアジア酸やマデカッソ酸には肌内部でのコラーゲンやセラミドの産生を助ける作用が確認されており、化粧品に配合することによって肌のハリを保ち、シワを目立ちにくくする効果が期待できます。抗炎症作用や鎮静作用が期待できる化粧品成分は多くありますが、コラーゲン、セラミドの合成促進は比較的珍しい作用で、化粧水などでそれらの成分を直接浸透させるのも難しいため、積極的に選ぶ理由となるでしょう。

 「肌のシワを目立ちにくくする」目的でCICAと同様に用いられる成分として、レチノールが挙げられます。レチノールも抗老化成分として知られていますが、CICAとはややアプローチがやや異なり、表面のヒアルロン酸の産生を促進することによって肌のターンオーバー正常化を図ります。この2つは「レチノールシカ」といった名称で併用されることもあり、「肌の再生」効果が期待できる成分として共に注目されています。

「古くて新しい」成分として

このように、CICAは肌のトラブルを落ち着かせ、シミやシワ予防に効果のある「古くて新しい」成分として注目を浴びています。新成分と聞くと若干不安に感じる方も多いかもしれませんが、「ツボクサエキス」は民間療法などを中心に長く利用されてきたものであるため、安心して使うことができます。また、輸入化粧品は香料などの関係で合わない、と感じる方が多少いらっしゃるのですが、最近では国産ブランドの商品にも多く取り入れられるようになっているので、心配な方はそちらを試してみると良いでしょう。 

 1点注意が必要なこととしては、化粧品に使用されているCICAは「低濃度」であることです。CICAは医薬品成分としても使用されており、その代表的な効果として「傷を治す」ことが挙げられますが、化粧品に使われている濃度ではその作用を十分に発揮しません。もし海外製のもので「傷を治す」ことをうたっている商品があった場合、それは医薬品である可能性が高いため、お土産などの目的では避けた方が良いでしょう。

 貴方は最近、気になっているスキンケア製品はありますか。もし少し気分を変えてみたい、今年のトレンドを取り入れてみたい、と思っていらっしゃるようでしたら、CICAを取り入れてみてはいかがでしょうか。

コメント

タイトルとURLをコピーしました