使用の目的:界面活性剤
類似した成分:レシチン
サポニンとは一部のシャンプーや洗顔料に含まれている成分で、ステロイド骨格もしくはトリテルペン骨格を持った配糖体の一種です。常温では薄黄色もしくは褐色の粉末状の物質で、水にやや溶けにくく、エタノールに溶けやすい性質を持っています。化粧品には大豆やサイカチ、ムクロジの実に含まれているものが利用されてきましたが、近年ではヒトデなど、一部の動物にも含まれていることが明らかになっています。
特筆すべき性質としては界面活性剤としての作用が挙げられます。一般的な界面活性剤は植物、もしくは石油由来の脂肪等を水酸化カリウムや水酸化ナトリウムで中和することによって合成されますが、サポニンはそれ自体が界面活性剤としての作用を発揮し、肌につけると皮脂や油汚れを浮き上がらせ、落とすことができます。そのため、今日のような石鹸が流通する前には石鹸や洗剤の代わりとして用いられてきました。
古くから洗剤や化粧品、薬として用いられてきた成分で、刺激性も石油系の界面活性剤と比較すると穏やかなため、安心、安全に利用することができます。大量に経口摂取すると溶血作用等がある、といった記述もありますが、化粧品として使う分には問題ありません。しかし、低刺激の界面活性剤としてはアミノ酸系の成分が多く存在し、サポニン自体の生産性も良くないため、今日では一部のナチュラルコスメに使われている程度です。
類似した成分としてはレシチンが挙げられます。レシチンはサポニンと同様に天然由来の界面活性剤として知られていますが、皮脂に組成が近く、化粧品の使用感向上や保湿作用なども期待することができます。そのため、スキンケア系の化粧品を中心に、より一般的に利用されています。
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