コンドロイチン硫酸ナトリウム

使用の目的：保湿、増粘剤

類似した成分：プロテオグリカン

　コンドロイチン硫酸ナトリウムとは一部のメイクアップ製品を中心に使用されている成分で、水溶性のムコ多糖類の一種です。常温では白色もしくは淡黄色の結晶もしくは粉末状の物質で、水に溶けやすく、油と馴染みにくい性質を持っています。工業的にはクジラやサメ、ブタの軟骨に含まれるものを抽出することによって得られます。

　特筆すべき性質としては優れた保湿効果が挙げられます。コンドロイチン硫酸ナトリウムには構造中に水と馴染みやすいムコ多糖鎖を持っているため、水分の保持力に非常に優れています。また、水溶液の粘度が高く、なめらかな感触であるため、メイクアップ製品の感触を改善するためにも用いられます。

　生体にも存在する成分で、肌への毒性や刺激性もないため安心、安全に利用可能な成分です。また、最近では他の成分との相乗効果で肌のシワを改善する効果があることが示唆されています。しかし、成分の増粘作用が強いことが災いしてか、保湿などを目的としたスキンケア製品への採用はやや少ないのが現状です。

　類似した成分としてはプロテオグリカンが挙げられます。プロテオグリカンはコンドロイチン硫酸ナトリウムと同様にムコ多糖鎖を持っている成分で、優れた保湿効果を持っていますが、成分自体の保湿効果に加え、肌内部でのヒアルロン酸やコラーゲンの産生を促進する効果があることが確認されています。そのため、スキンケア製品ではプロテオグリカンの方がより好んで利用されています。