メタノール

成分

使用の目的:溶媒

類似した成分:エタノール

 メタノールとは海外の一部ネイル製品、メイクアップ製品等に使用されている成分で、化学式CH3OHで表されるアルコールの一種です。メチルアルコールと呼ばれることもあります。常温では無色透明の液体で、水にも油にも馴染みやすい性質を持っています。高純度のものは一酸化炭素に水素を反応させることによって得られますが、化粧品に配合されているものはエタノールを合成する際の副生成物として得られたものが主となります。

 特筆すべき性質としては溶媒としての機能性の高さが挙げられます。メタノールは分子の大きさが極めて小さく、水とも油とも馴染みやすい構造を持っているため、多くの成分を効率的に溶かし込むことができます。また、溶媒としてのメタノールの性質はエタノールとよく似ており、両者が混在した状態であっても機能性に影響がありません。

 純粋なエタノールやイソプロピルアルコールよりもさらに安価に利用可能な成分ですが、肌に付着すると皮脂を過剰に取り除いてしまい、肌荒れの原因となります。また、高濃度のメタノールに接触、もしくは蒸気を吸入すると体内で分解されてホルムアルデヒドとなり、神経系、特に眼の神経に強いダメージを与えてしまいます。その為、日本では化粧品への混入が禁止されており、微量が検出された場合であっても市場回収等の処置が取られます。

 一方、海外で販売されている化粧品については微量であれば使用に問題ないとされ、メタノールを取り除いていないエタノールを原料として使用、もしくは意図的に配合されることがあります。成分として表示されていないこともあるため、エタノールが多く含まれている海外化粧品を個人で購入し、使用する際は、日本の製品以上に慎重に、少量ずつ使用することをお勧めします。

 類似した成分としてはエタノールやイソプロピルアルコールが挙げられます。これらはメタノールより若干高価であるものの、肌への刺激性が弱いため化粧品成分として配合が認められており、溶媒や抗菌作用などの目的で幅広く使用されています。

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