使用の目的：防腐剤
類似した成分：パラベン
ブチルカルバミン酸ヨウ化プロピニルとは化粧品に幅広く使用されている成分で、化学式C8H12INO2で表されるカルバミン酸エステルの一種です。常温では白色の固体で、水にやや溶けにくく、エタノールやプロピレングリコール等に溶けやすい性質を持っています。工業的にはヨウ素とブチルアミン、カルバミン酸を反応させることによって得ることができます。
特筆すべき性質としては優れた防腐剤としての性質が挙げられます。ブチルカルバミン酸ヨウ化プロピニルは幅広い菌種に対して抗菌作用を示し、特にカビや酵母に対して強い効果を発揮します。その作用はパラベンには及ばないものの、よく知られているフェノキシエタノール等よりも強いため、化粧品の腐敗を防ぎ、品質を安定させる目的でしばしば利用されています。
元々は木材や塗料の防腐剤として使用されており、抗菌作用については十分な実績を持った成分です。また、「パラベンフリー」の化粧品を作る際、パラベンに比較的近い効果が期待できる成分として有用な存在です。化粧品に含まれている濃度では安全とされているものの、実はパラベンよりも肌や粘膜への刺激性が高いため、体質や肌の調子によっては炎症を引き起こすことがあり、一部用途では使用の禁止が勧告されています。
類似した成分としてはパラベンが挙げられます。パラベンはブチルカルバミン酸ヨウ化プロピニルと同様に抗菌剤として様々な化粧品に利用されています。パラベンの方が「肌への刺激性が高い」と言われており、最近では使用を避ける動きもありますが、ブチルカルバミン酸ヨウ化プロピニルと比較するとむしろ刺激性は低い部類であること、また、抗菌作用に優れていることから、現在でもより多くの製品に利用されています。
