メチルイソチアゾリノン

成分

使用の目的:防腐剤

類似した成分:パラベン

 メチルイソチアゾリノンとはヘアケア製品やボディーソープなどを中心に利用されている成分で、化学式C4H5NOSで表される複素環式化合物の一種です。常温では濃褐色の固体で、水に溶けやすいことが特徴です。工業的に合成可能な成分で、アクリルアミドを環化させることによって得られます。

 特筆すべき性質としては優れた防腐剤としての性質が挙げられます。メチルイソチアゾリノンはメチルクロロイソチアゾリノンとの組み合わせで幅広い菌種に対して抗菌作用を発揮し、その強さは代表的な防腐剤であるフェノキシエタノールよりも非常に強く、パラベンに匹敵します。そのため、ヘアケア製品などを中心に、パラベンに代わる防腐剤として利用されています。

 高い抗菌作用を持っており、化粧品に少量配合するだけでも高い効果を発揮します。また、「パラベンフリー」の化粧品を作る際、パラベンに最も近い効果が期待できる成分として有用です。しかし、化粧品に含まれている濃度では安全とされているものの、実はパラベンよりも肌への刺激性が高いため、体質や肌の調子によっては炎症を引き起こすことがあります。

 類似した成分としてはパラベンが挙げられます。パラベンはメチルイソチアゾリノンと同様に万能な抗菌剤として様々な化粧品に用いられています。パラベンの方が「肌への刺激性が高い」と言われており、最近では使用を避ける動きもありますが、メチルイソチアゾリノンと比較するとむしろ刺激性が低く、使用されてきた実績も長いため、現在でもより多くの製品に利用されています。

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