使用の目的:角質の除去
類似した成分:パパイン
グリコール酸とは一部の洗顔料やスキンケア製品に利用されている成分で、化学式C2H4O3で表されるヒドロキシ酸の一種です。ヒドロキシ酢酸と呼ばれることもあり、常温では無色の結晶状で、水やエタノールに溶けやすく、油と馴染みにくい性質を持っています。化学合成によって得ることもできますが、サトウキビや甜菜、パイナップル等、天然の植物にも多く含まれているため、これらから抽出、精製したものが用いられています。
特筆すべき性質としては優れたピーリング効果が挙げられます。グリコール酸が含まれた化粧品を肌につけると角質層に存在するコルネオデスモソームと呼ばれる細胞同士の結合を担っている部分に作用し、分解を促進します。コルネオデスモソームが分解されると古い角質層が剥がれ落ち、新しいものへと置き換えられるため、結果として肌にできてしまったシミやくすみを軽減することができます。
天然の植物に大量に存在する成分のため、手軽に利用することが可能です。また、グリコール酸自体は比較的刺激性の強い成分ですが、化粧品にはpH等を調整した上で配合されるため、肌への刺激は他のピーリング成分と比較するとマイルドです。しかし、肌の状態によっては炎症を起こすことがあるため、異常を感じたら使用を止めるようにしてください。
類似した成分としてはパパインが挙げられます。パパインはグリコール酸と同様に古い角質を剥離する目的で用いられますが、角質層の剥離作用はグリコール酸に及ばないものの、肌表面のタンパク質や脂質を分解し、洗い落とす効果に優れています。化粧品にはそれぞれの特徴を活かす形で併用、もしくは使い分けがされています。
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