使用の目的:保湿成分、使用感の向上
類似した成分:カルボマー
加水分解水添デンプンとは様々な化粧品に利用されている成分で、デンプンを加水分解することによって得られたソルビトール、マルチトール等の糖アルコールに水素を添加することによって得られた混合物です。常温では無色透明の液体で、水やエタノールと任意の割合で混和しますが、油性成分とはあまり馴染みません。
特筆すべき性質としては比較的優れた保湿効果が挙げられます。加水分解水添デンプンは構造中に水と馴染みやすいヒドロキシル基と呼ばれる部分を多く持っており、肌に塗ると分子量の比較的小さなものが角質層へと浸透し、肌の保湿作用を補います。また、加水分解水添デンプンは肌の上で皮膜を形成しますが、様々な分子が混合しているため、肌への密着性の良さ(しっとりさ)と滑りの良さ(さっぱりさ)の両方を感じさせるものとなり、化粧品の使用感を大きく向上させることが可能です。
天然のデンプン由来の成分で肌への刺激性や毒性も確認されていないため、安心、安全に利用可能な成分で、皮膜には肌を刺激から守る作用も確認されています。また、水素を添加しているため一般的な糖アルコールよりも成分の安定性に優れています。しかし、保湿効果についてはグリセリンに及ばず、また、使用感の向上に関しては利用方法が色々と模索されている段階です。
類似した成分としてはカルボマーが挙げられます。カルボマーは加水分解水添デンプンと同様に親水性の皮膜を形成し、化粧品の使用感の改善や保湿の目的で利用されますが、高い増粘作用を持つ一方でさっぱりとした使い心地が特徴です。化粧品にはそれぞれの特徴を活かす形で使い分けがされています・
コメント