オレンジ果実エキス

使用の目的：保湿及びオレンジの香り成分

類似した成分：オレンジ油、ユズ果実エキス

　オレンジ果実エキスとはシャンプーやボディーソープ、化粧水等に使用されている成分で、オレンジの果実を圧搾、ろ過、もしくはBG等で成分を抽出することによって得られます。スクロースやフルクトース、クエン酸やビタミンC等が主な成分として含まれておりますが、皮の部分を原料としていないため、リモネンはあまり含まれていません。

　特筆すべき性質としてはその保湿作用が挙げられます。オレンジ果実エキスに含まれるスクロースやフルクトースといった糖類は保湿力に優れており、肌に塗ることによって肌表面により多くの水分が留まるようになります。また、オレンジ果実エキスに含まれるクエン酸等には古い角質を軟化、除去する働きもあるため、保湿成分の浸透を助けます。保湿作用の他にはビタミンCによる酸化防止作用等も期待できます。

　食用のオレンジから採取される天然由来の成分であること、また、肌への刺激性、毒性も認められないことから安心、安全に使用することが可能な成分です。しかし、原料に使用されるオレンジの種類のによっては紫外線と反応し、炎症や色素沈着の原因となるいわゆる「光毒性」を示すことがあるため、注意書きに従って使用することが必要です（ブラッドオレンジ等は注意が必要です）。また、保湿効果や抗酸化作用に関しては、よりその作用に特化した成分も存在します。

　類似した成分としてはオレンジ油が挙げられます。オレンジ油はオレンジの皮の部分から抽出される油で、柑橘系の香り成分として有名なリモネンを主成分としています。その為、香りづけとして使用される他、リモネンの親油性を活かした「肌からの水分蒸発を防ぐ」保湿効果を期待することもでき、製品の種類や求める効果に合わせて使い分けがされています。