使用の目的：マニキュア向けの溶剤及び皮膜形成
類似した成分：酢酸エチル
炭酸プロピレンとは一部のメイクアップ化粧品やリムーバー等に含まれている成分で、化学式C4H6O3で表されるエステルの一種です。常温では無色透明の液体で、水と馴染みやすい性質を持っています。工業的には酸化プロピレンと二酸化炭素を反応させることによって合成されます。常温では安定ですが、水分存在下の高温ではプロピレングリコールと二酸化炭素に分解されます。
特筆すべき性質としては溶剤としての役割が挙げられます。炭酸プロピレンは水性成分をよく溶かしますが、特に顔料を均一に分散させるための基剤成分である粘土鉱物との相性が良いこと、皮膚に塗ると耐水性の皮膜を形成し、汗などによる滲みを防ぐことから、アイメイク製品等を中心に使用されます。また、油脂類を溶かす性質にも優れているため、ヘアマニキュア、ネイルマニキュア向けの溶剤として使用されることもあります。
化粧品に含まれている濃度では毒性等も認められず、また、アセトンや酢酸エチルのような特異臭もありませんが、肌につけると若干の刺激性があり、リムーバーとして使用した場合の利便性はアセトンに及びません。また、可燃性があるため使用の際は火気のない場所での使用が推奨されます。
類似した成分としては酢酸エチルが挙げられます。酢酸エチルは炭酸プロピレンと同様にアセトンフリーのリムーバーの成分として使用されますが、皮膜形成成分であるニトロセルロースや樹脂等との相性が良いため、ネイルマニキュア向けの成分を溶かし込む溶剤としても使用されています。
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