ラクトンC11

成分

使用目的:ピーチ香料、加齢に伴う匂い変化のマスキング

類似した成分:ラクトンC10

ラクトンC11とは桃やココナッツ、乳製品等に含まれている香料の一種で、化学式C12H20O2で表されるラクトンの一種です。桃に豊富に含まれることからピーチアルデヒドの別称でも知られ、化粧品原料等ではγーウンデカラクトンと表記されることもあります。常温では無色透明の液体で水に溶けにくく、エタノールには良く溶けます。工業的にはオクタノールを原料として、幾つかの付加反応を経由して合成されます。

 特筆すべき作用としてはその甘い匂いが挙げられます。ラクトンC11には心の乱れを鎮める作用があり、また、多くの人にとって「心地良く」感じられる匂いであるため、多くのフレグランス製品に取り入れられてきました。また、近年の研究で、ラクトンC11はラクトンC10と共に10代後半~20代の女性の身体から感じられる「甘い匂い」の正体であることが明らかになっています。

 体内でも合成、分泌される成分で乳製品等にも含まれているため、安心、安全に利用可能な成分です。また、比較的安価に合成できるため、高価なフレグランス製品だけではなく、最近ではプチプラのクリーム等にも「若い女性らしい」匂いで香りづけするための成分として取り入れられています。ただ、最近は「若い女性の匂い」であることが話題になり過ぎた為、本来、桃の香りとしてユニセックスに親しまれてきたにも関わらず、男性が使用するにはやや敷居が高い香りとなってしまっています。

 類似した成分としてはラクトンC10が挙げられます。ラクトンC10はキンモクセイ(オスマンサス)の香りとして有名な成分で、ややフレーバーは異なりますが、ラクトンC11と共にフレグランス製品の原料として、あるいは「若い女性らしい」匂いで香りづけするための成分として共に利用されています。

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