使用目的:pH調整剤、カルボマーの粘度調整
類似した成分:アルギニン、クエン酸ナトリウム
トリエタノールアミンとはスキンケア化粧品に幅広く用いられている成分で、化学式C6H15NO3で表されるアミンの一種です。医薬部外品としてはTEAの略称で呼ばれ、常温では淡黄色の液体で、水やエタノールと任意の割合で混ぜ合わせることが可能です。工業的にはエチレンオキサイドとアンモニア水溶液を反応させることによって合成されます。
特筆すべき作用としてはpH調整剤としての役割が挙げられます。トリエタノールアミン水溶液は弱アルカリ性を示しますが、緩衝剤としてpHを一定に保つ作用に優れており、アルカリ性領域で効果を発揮する成分を変性させないために使用されます。また、酸性物質を中和するためにも用いられ、弱アルカリ性セッケンや界面活性剤の製造、オールインワンコスメの成分としてお馴染みのカルボマーにとろみを出す、といった目的でも使用されます。
トリエタノールアミンはあらゆる製品に使用されていますが、皮膚に対して若干の刺激性が認められるため、敏感肌の場合は若干使用を控えた方が良い成分です。しかし、以前言われていた発がん性等については検証によって否定されており、特に肌荒れ等に悩まされていない場合は十分に安心して使用することが可能です。また、トリエタノールアミンを原料として合成したセッケンや界面活性剤は水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等を原料としたものよりも刺激性は低くなります。
類似した成分としてはアルギニンやクエン酸ナトリウムが挙げられます。いずれも弱アルカリ性を保つためのpH緩衝剤として用いられ、トリエタノールアミンよりは肌に対する刺激は低くなります。また、アルギニンに関してはトリエタノールアミンと同様にセッケン合成の原料として用いられ、特に低刺激を謳った処方に好んで使用されています。
コメント