使用目的:保湿成分、アミノ酸セッケンの合成原料、pH調整剤
類似した成分:トリエタノールアミン
アルギニンとは化粧品に幅広く含まれている成分で、化学式C6H14N4O2で表されるアミノ酸の一種です。常温では白色の粉末状の物質で、水に溶けやすくアルコールや油分には殆ど溶けない性質を持っています。生体を構成するアミノ酸の1つでサプリメントや栄養ドリンクでもお馴染みの成分で、工業的には微生物を用いた炭水化物の発酵によって合成されます。
アルギニンは他のアミノ酸と同様に水分を保持する構造を持っており、また、空気中の水分を吸収するため保湿効果がありますが、肌の内部に浸透しにくいため、保湿効果はやや他の成分に劣っています。アルギニンは保湿成分として用いられるよりはむしろ、水溶液の状態でアルカリ性を示す為、その特徴を活かす形でpH調整剤として、あるいはアミノ酸石鹸の合成原料として使用されます。アミノ酸石鹸はナトリウム塩やカリウム塩を用いた石鹸よりもpHが中性に近く、穏やかな洗浄作用を持ちます。
化粧品やサプリメント、薬品など幅広く用いられており、生体でも合成される成分であること、肌への刺激性も少ないことから安心、安全に使用することが可能な成分です。また、大量生産が可能であることから安定供給の観点からも優れています。しかし、アルギニンを原料として作られるアミノ酸石鹸に関しては、洗浄力に劣っている反面、肌への刺激性は他の石鹼と比較して大きく変わらないため、やや利用されにくくなっています。
類似した成分としてはトリエタノールアミンが挙げられます。トリエタノールアミンはアルギニンと同様に製品をアルカリ性に保つためのpH調整剤として広く用いられており、アルコールにも溶けやすいといったメリットがありますが、肌への刺激性がやや強く、体質によっては皮膚炎等の原因となるため、製品の性格によってアルギニン等、他の成分が使われます。
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