使用目的:保湿成分、pH調整、肌の弾力性の向上
類似した成分:グルタミン酸
アスパラギン酸とは化粧水や美容液、ヘアケア商品に含まれている成分で、化学式C4H7NO4で表されるアミノ酸の一種です。アスパラギン酸として一般的に表記される成分はl-アスパラギン酸ですが、光学異性体(鏡写しの構造を持った分子)であるd-アスパラギン酸も存在し、それぞれ異なった効果を持つため、区別して表記、使用されることがあります。常温では白色の粉末状で、水に若干溶け、アルコールや油分には殆ど溶けない性質を持っています。アスパラギン酸は即効性の高いエネルギー成分として、サプリメント等にも広く取り入れられており、工業的にはフマル酸を発酵させることによって合成されます。
アスパラギン酸は他のアミノ酸と同様に、水分を保持する構造を持っており、また、空気中の水分を吸収するため、肌に塗ると保湿作用を発揮します。また、アスパラギン酸は比較的皮膚に吸収されにくい成分ですが、肌荒れに悩まされているような状態では吸収されやすく、肌荒れによって失われた保湿機能を補います。これらはl、dいずれのアスパラギン酸にも共通した性質ですが、d-アスパラギン酸に特筆すべき性質として、肌に浸透してコラーゲン繊維構造を強化し、肌の弾力性を向上させる働きがあることが確認されています。
食品や薬品、サプリメントなどあらゆる分野で使用されており、弱酸性で肌に対する刺激性も少ないため、安心、安全に使用可能な成分です。また、工業的に大量生産が可能であることから安定供給の観点からも優れた成分です。また、アミノ酸シャンプーの洗浄成分の原料として使用されることもあります。
類似した成分としてはグルタミン酸が挙げられます。グルタミン酸はアスパラギン酸と同様に酸性を示すアミノ酸に分類され、アミノ酸に共通の保湿作用を示しますが、d体に特徴的な作用が異なっており、d-グルタミン酸に関しては肌のバリア機能の修復を助ける効果が確認されています。
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