濃グリセリン

成分

使用目的:肌の保湿

類似した成分:グリセリン(同一成分)、ヒアルロン酸

濃グリセリンとは化粧水や乳液等を中心に使用されている成分で、化学式C3H8O3で表されます。常温では無色透明の粘り気の強い液体で、空気中の水分を吸収して溶解する性質(潮解性)を持っています。基本的にはより広く用いられているグリセリンと同様の物質ですが、一般的なグリセリンが濃度80%程度のものを指すのに対し、濃グリセリンは濃度95%以上のものを指します。

 特筆すべき作用としては保湿効果の高さが挙げられます。濃グリセリンには吸湿作用があり、水分を保持しやすく、かつ肌にも浸透しやすいため高い保湿効果を発揮します。また、適切な濃度に薄めて使用すると適度なとろみが生まれ、化粧品の使用感が改善されます。この効果は(より薄い水溶液である)グリセリンと同一で、区別せずに用いられることもありますが、特に保湿作用を強調する場合に濃グリセリンの表記が用いられます。

 グリセリンと同様に水にも油にも溶け、優れた機能性と安全性を兼ね備えていますが、グリセリンと比較すると粘性がかなり強く、水と反応して発熱することから手作り化粧品を作る場合はやや扱いにくい成分です。手作り化粧品に用いる際は事前に精製水で希釈し、通常のグリセリンとして使用する方法が推奨されます。また、脂性肌でニキビに悩まされている場合はニキビ菌の繁殖を助けてしまうため、少し注意が必要です。

 保湿効果に関してはヒアルロン酸やセラミド等の保湿に特化した成分と併用する形で使用されます。また、化粧品にとろみをつける成分として使用されている場合は濃グリセリンの表記はやや少なく、通常のグリセリンとして表記されることが多いです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました