キサンタンガム

成分

使用目的:化粧品の増粘剤、ゲル化剤

類似した成分:アラビアガム、グアーガム

 キサンタンガムとはあらゆる種類の化粧品に幅広く使用されている成分で、分子量約1,300万~5,000万の多糖類の一種です。元々は微生物が外的環境から自身を守るために作り出す天然由来の成分で、化粧品に使用されているものはトウモロコシ由来のデンプンを発酵させることによって生産されています。

 特筆すべき作用としてはその高い増粘作用が挙げられます。キサンタンガムは水やエタノールによく溶けますが、特に水に溶かした場合、他の増粘剤と比較して、微量加えるだけでもとろみの強い性状へと変化します。また、キサンタンガムを加えた水溶液は粘度が非常に高いのですが、擬塑性流動と呼ばれる性質を持っており、力を加えると粘度が大きく低下するため、チューブ容器に入れて押し出すと適量を採取することが可能です。

 天然由来で刺激性もなく、安全性が高い成分であるため化粧品以外でもソースやゼリー、缶詰といった食品分野でも広く使用されています。また、増粘剤の一種であるガラクトマンナンと併用することにより弾力性に優れたゲルを形成するため、組み合わせて使用されることもあります。他の増粘剤と比較して温度やPH、他に溶かし込む成分との相性面でも優れているため、水性の化粧品にとろみをつける為の有力な選択肢となります。ただ、増粘作用に特化しており他の効果を持ち合わせていないため、保湿等の効果を期待する場合はグリセリン等、他のとろみのある成分を使うことがあります。

 同様の効果を持った成分としてはアラビアガムやローカストビーンガム、グアーガム等が挙げられます。アラビアガムは増粘作用に関してはキサンタンガムに劣りますが、併用することにより粘度を調整、あるいは乳化剤としての効果を持っているため油性の化粧品の安定剤として用いられることがあります。また、グアーガムは高濃度でキサンタンガムより高い粘度を示し、また、力を加えることによって粘度が下がり、取り除くと元の粘度に戻るチキソトロピー性にも優れているため、配合することによって異なる物性を示します。

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