使用目的:化粧水やクリーム等、化粧品に含まれている水分、他成分の溶媒
類似した物質:エタノール(溶媒)1,3-ブチレングリコール(溶媒)
精製水とは化粧水やクリーム、美容液などに幅広く含まれている成分で、化学式H2Oで示されます。化粧品には目的に応じて温泉水やミネラルウォーターなども用いられますが、これらが金属元素などのミネラルを豊富に含んでいるのに対して、精製水は水の中に含まれるミネラル等を専用の装置を用いて除去し、不純物をなるべく含まないようにしたものとなります。
精製水を化粧品に利用する理由としては、製品の安定化が挙げられます。水は多くの成分を溶かすことができますが、水に金属イオン等が含まれていた場合、他の成分と反応して本来の効果を発揮できなくなってしまう、時間経過と共に沈殿を生成し、製品としての見栄えを損ねてしまう等の懸念があります。また、水に残留塩素が残っていた場合、肌への刺激の原因となってしまいます。予め不純物をろ過した精製水を使用することで、このような状況を防ぐことができます。一方、温泉水やミネラルウォーターは沈殿や変性のリスクを踏まえた上で、肌へのミネラル補給等を目的として使われることが多いです。
精製水は全ての化粧品の中で最も重要な成分です。化学的に安定で常温では液体として存在する、溶媒として様々な物質を溶かすことができる、肌への刺激性がないといった特徴を他の成分で置き換えることは不可能です。また、スキンケア化粧品に求められる役割が「水を肌の中にとどめておくこと」の為、水分そのものの存在が欠かせません。
類似した成分としてはエタノールや1,3-ブチレングリコールが挙げられます。こちらは両親媒性のため水よりもさらに幅広い成分を溶かし込むことができますが、エタノールは特有の刺激性を持っており揮発しやすい物質であること、1,3-ブチレングリコールは高濃度の場合、粘度が増加し使用感を大きく損なうことから、必要に応じて水に適量を混ぜ合わせる形で使用されています。
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