使用の目的:ニキビ予防、肌のターンオーバー促進、抗菌作用
類似した成分:グリチルリチン酸ジカリウム、ナイアシンアミド
アゼライン酸とは一部のスキンケア製品に利用されている成分で、化学式C9H16O4で表されるカルボン酸の一種です。常温では白色のフレーク状、もしくは粉末状の物質で、水に溶けにくく、エタノールやアセトンに溶けやすい性質を持っています。天然に存在する成分で、主に大麦や小麦をはじめとした穀類や酵母に含まれていますが、オレイン酸をオゾンで分解、もしくはノナン酸を細菌によって分解することによって合成したものが用いられています。
特筆すべき性質としては優れたニキビ予防効果が挙げられます。アゼラインには肌の角質に働きかけて過剰な増殖を防ぐ作用が確認されており、それによって引き起こされる毛穴の詰まりを防ぎます。また、殺菌、抗菌作用を持っていることでも知られており、特にニキビの原因となるアクネ菌の増殖を抑えるため、詰まった毛穴が炎症を引き起こすことを防ぐ効果も期待できます。
天然由来の成分で海外では医薬品としてもよく利用されている成分のため、比較的安心、安全に利用可能です。また、アゼライン酸には肌への色素沈着を防ぐ作用があることも知られており、肌のシミやくすみを防ぐいわゆる「美白効果」を期待することもできます。しかし、化粧品成分としてはやや刺激性が強く(韓国では化粧品への配合が禁止されています)、レチノールやビタミンCなど他の刺激性の強い成分との併用は肌の避けた方が無難です。
類似した成分としてはグリチルリチン酸ジカリウムが挙げられます。グリチルリチン酸ジカリウムはアゼライン酸と同様にニキビ予防に効果のある成分としてスキンケア化粧品に配合されていますが、殺菌や角質増殖の防止といった作用は持っていないものの、炎症をより抑え、また、肌への刺激感を抑える作用が期待できます。化粧品にはそれぞれの特性を活かす形で使い分けがされていますが、実績のあるグリチルリチン酸ジカリウムの方がより一般的に利用されています。