BHA

成分

使用の目的:酸化防止剤

類似した成分:BHT、サリチル酸

 BHAとは一部の化粧品に利用されている成分で、化学式C11H16O2で表されるフェノール誘導体の一種です。ブチルヒドロキシアニソールと呼ばれることもあり、常温では白色の固体で、水に溶けにくく、エタノールやアセトンに溶けやすい性質を持っています。工業的には石油由来のメトキシフェノールとイソブチレンを反応させることによって、大量に合成可能です。

 特筆すべき性質としては優れた酸化防止剤としての性質が挙げられます。紫外線等の影響によって生じた活性酸素は化粧品に含まれる油脂や界面活性剤に作用し、ラジカル反応と呼ばれる連鎖反応を引き起こし、いわゆる「酸敗」を引き起こしてしまいます。BHAはこの連鎖反応の途中で生成する過酸化ラジカルに水素を受け渡す(自身が酸化される)ことによって安定化させ、望ましくない反応を停止させる働きを持っています。

 食品添加物などでもお馴染みで、化粧品成分としても長い歴史を持っているため基本的には安心して利用できる成分です。また、BHAは安定性にも優れており、多少の熱や光では分解されたり、その性質を失ったりすることはありません。しかし、十分に安全とはされているものの、一部の動物実験で発がん性が認められるなどの結果も出ており、欧米では自主規制を行っている企業も存在します。

 類似した成分としてはBHTが挙げられます。BHTはBHAと同様に石油由来の酸化防止剤として食品や化粧品などに用いられており、同様に優れた酸化防止剤としての効果を発揮します。BHTの方が僅かに肌への刺激や催奇形性などのリスクが高いとされていますが、より安価で発がん性に関してはBHAよりも低いため、BHTの方がより一般的に用いられています。また、「BHA」と呼ばれる成分には他に、βヒドロキシ酸(サリチル酸)が存在します。

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