使用の目的:保湿、バリア機能の修復
類似した成分:コンドロイチン硫酸Na、ヒアルロン酸
ヘパリン類似物質とは一部のスキンケア化粧品に含まれているムコ多糖類の一種です。ヘパリノイドと呼ばれることもあり、生体内にも広く存在する親水性物質ヘパリン(化学式(C26H40N2O36S5)n)と類似した構造を持ち、ヘパリンよりも安定性が高いことが特徴です。動物や植物に由来する様々な成分があり、抽出、精製することによって得られますが、微生物発酵等で合成して得られるものもあります。
特筆すべき性質としては優れた保湿効果が挙げられます。ヘパリン類似物質は親水性が極めて高いムコ多糖類であるため、分子内に大量の水分子を取り込みます。また、肌との親和性が高いため浸透性にも優れています。そのため、肌につけると角質層に深く浸透し、失われた保湿力を補う効果が期待できます。また、血行促進作用や穏やかな抗炎症作用も期待できるため、ダメージを受けた肌を修復する効果も期待できます。
天然由来で医薬品としてもお馴染みの成分であるため、安心、安全に利用することができます。また、他の保湿成分と比較して浸透性が高く、効果の持続性にも優れています。しかし、他の成分と比較して若干の刺激性があり、稀に肌が赤くなるなどの症状が現れることがあります。そのため、顔向けの化粧水やクリームよりもハンドクリームなどにより好んで利用されます。
類似した成分としてはコンドロイチン硫酸Naが挙げられます。コンドロイチン硫酸Naは代表的なヘパリン類似物質で、保水作用にとても優れていることが特徴です。また、尿素はヘパリン類似物質と同様の保水作用を発揮しますが、同時に角質層を軟化させることにより、複合的に肌の保湿効果を高める働きがあります。化粧品にはそれぞれの特徴を活かす形で使い分け、もしくは併用がされています。
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